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何と新任の先生がダンブルドア校長の話を中断させるという前代未聞の出来事が起きてマクゴナガル先生とスプラウト先生が声も出せないほど激怒しているのは明らかでした。ところが聞いているとただただつまらないとしか思えないような話の中に重要な意味が含まれていたんですよね。(全3項目)

3-1.ダンブルドア校長の話を中断させて
ダンブルドア校長の口から2人の先生が紹介されましたが礼儀正しくその一方であまり熱のこもらない拍手が起きました。その間ハリーにロンとハーマイオニーはパニック気味に顔を見合わせる事になってしまったんですよね。

ダンブルドアがグラブリー・プランク先生がいつまで教えるのかを言わなかったからでした。ダンブルドアは言葉を続けて「クィディッチの寮代表選手の選抜の日は」と言いました。ところがだったというわけなんですよね。

ダンブルドアは言葉を切ると「何か用かな?」という目でアンブリッジ先生を見ました。アンブリッジ先生は立っても座っても同じぐらいの高さだったので暫くは何故ダンブルドアが話を辞めたのか誰にも分りませんでした。

しかしアンブリッジ先生が「ェヘンェヘン」と咳払いをしたので立ち上がっている事とスピーチをしようとしている事が明らかになりました。ダンブルドアはほんの一瞬驚いた様子でしたが即座に優雅に椅子に腰掛けました。

そして謹聴するような顔をしました。アンブリッジ先生の話を聞く事ほど望ましい事はないと言わんばかりの表情です。他の先生方はダンブルドアほど巧みに驚きを隠せませんでした。誰もが皆不機嫌そのものだったのです。

スプラウト先生の眉毛はふわふわ散らばった髪に隠れるほど吊り上がりマクゴナガル先生の唇はハリーが見た事もないほど真一文字に結ばれていました。これまで新任の先生がダンブルドアの話を中断させた事はありません。

この女ホグワーツでの仕来たりを知らないなとニヤつく生徒が多くいました。アンブリッジ先生は「校長先生。歓迎のお言葉恐れ入ります」と言うと作り笑いをしました。女の子のような甲高い溜め息混じりの話し方でした。

ハリーはまたしても自分でも説明のつかない強い嫌悪を感じました。とにかくこの女に関するものは全部大嫌いだという事だけは判りました。馬鹿な声にふんわりしたピンクのカーディガンに何もかもが嫌いだと思いました。

再び「ェヘンェヘン」と軽い咳払いをしてアンブリッジ先生は話を続けたというわけなんですよね。

3-2.ほとんど誰も聞いていない
「さてホグワーツに戻って来られて本当にうれしいですわ!」こう言ってにっこりすると尖った歯が剥き出しになりました。続けてアンブリッジ先生はこう言いました。ハリーは思わず大広間をぐるりと見渡したんですよね。

「そして皆さんの幸せそうな可愛い顔がわたくしを見上げているのは素敵ですわ!」

幸せそうな顔など1つもありません。むしろ五歳児扱いされてみんな愕然とした顔でした。この次にはアンブリッジ先生はこう言いました。これには生徒一同は誰もが顔を見合せました。冷笑を隠さない生徒もいたほどでした。

「皆さんとお知り合いになれるのをとても楽しみにしております。きっと良いお友達になれますわよ!」

これを聞いてパーバティがラベンダーに「あのカーディガンを借りなくていいならお友達になるけど」と囁き2人は声を潜めてクスクス笑いました。アンブリッジ先生はまた「ェヘンェヘン」と咳払いしました。そしてでした。

次に話し出した時アンブリッジ先生は溜め息混じりが少し消え話し方が変わっていました。ずっとしっかりした口調で暗記したかのように無味乾燥な話し方になっていました。実はこの話し方は1つの狙いがあっての事でした。

「魔法省は若い魔法使いや魔女の教育は非常に重要であると常にそう考えて来ました。皆さんが持って生まれた稀なる才能は慎重に教え導き養って磨かなければものになりません」

「魔法界独自の古来からの技を後代に伝えていかなければ永久に失われてしまいます。我らが祖先が集大成した魔法の知識の宝庫は教育という気高い天職を持つものにより守り補い磨かれていかねばなりません」

アンブリッジ先生はここで一息入れ同僚の教授陣に会釈をしました。しかし誰も会釈を返しません。マクゴナガル先生は黒々とした眉がぎゅっと縮まりまさに鷹そっくりでした。しかもそれだけではなかったというわけです。

意味ありげにスプラウト先生と目を見交わしたのをハリーは見ました。アンブリッジ先生はまたまた「ェヘンェヘン」と咳払いをしました。そして話を続けました。ところが実を云うとここからの話が問題だったんですよね。

「ホグワーツの歴代校長はこの歴史ある学校を治める重職を務めるに当たり何らかの新規なものを導入して来ました。そうあるべきです。進歩がなければ停滞と衰退あるのみ」

「しかしながら進歩のための進歩は奨励されるべきではありません。何故なら試練を受け証明された伝統は手を加える必要がないからです。そうなるとバランスが大切です」

さらにアンブリッジ先生の話は「古きものと新しきもの恒久的なものと変化。伝統と革新」などと続きましたがハリーは注意力が退いて行くのが判りました。それはまるで脳みその周波数が合ったり外れたりするようでした。

ダンブルドアが話す時には大広間は常に静かでした。しかし今はそれが崩れて生徒は額を寄せ合って囁いたりクスクス笑ったりしていました。レイブンクローのテーブルではチョウ・チャンが友達とさかんに話していました。

そこから数席離れた所ではルーナ・ラブグッドがまたもホグワーツ特急内で開いていた父親の発行する雑誌「ザ・クィブラー」を取り出していました。一方ハッフルパフのテーブルに至っては聞いているのは1人だけでした。

それはアーニー・マクミランでしたが目が死んでいました。胸に光る新しい監督生バッジの期待に応えるため聞いているふりをしているだけに違いないとハリーは思いました。それでもアンブリッジ先生は話し続けています。

アンブリッジ先生は聴衆のざわつきなど気がつかないようでした。ハリーの印象ではアンブリッジ先生は目の前で大々的な暴動が勃発しても延々とスピーチを続けるに違いない。しかし教授陣は熱心に聞いていたんですよね。

ハーマイオニーもアンブリッジ先生の言葉を細大漏らさず呑み込んでいました。もっともその表情から見ると全くおいしくないという顔をしていました。そしてこう言ってアンブリッジ先生の話はようやく終了したのでした。

「何故なら変化には改善の変化もある一方時満ちれば判断の誤りと認められるような変化もあるからです。古き慣習の幾つかは維持され当然そうあるべきですが陳腐化し時代遅れとなったものは放棄されるべきです」

「保持すべきは保持し正すべきは正し禁ずべきやり方と判ったものは何であれ切り捨ていざ前進しようではありませんか。開放的で効果的でかつ責任ある新しい時代へ」

アンブリッジ先生は座りました。ダンブルドアが拍手しました。それに倣って先生方もそうしましたが1回か2回叩いただけで拍手を辞めてしまった先生が何人かいる事にハリーは気づきました。生徒も何人かは拍手しました。

しかし大多数は演説が終わった事には不意を衝かれていました。だいたい二言か三言しか聞いていなかったのです。ちゃんとした拍手が起こる前にダンブルドアがまた立ち上がりました。ダンブルドアはこう言ったのでした。

「ありがとうございました。アンブリッジ先生まさに啓発的じゃった」

3-3.啓発的だったが
それからダンブルドアは「さて先程言いかけておったがクィディッチの選抜の日は」と話を再開しましたがハーマイオニーは低い声で「ええ本当に啓発的だったわ」と言いダンブルドアの意見に賛同したというわけですよね。

「面白かったなんて言うんじゃないだろうな?ありゃこれまでで最高につまんない演説だった。パーシーと暮らした僕がそう言うんだぜ」

それにロンがぼんやりした顔でハーマイオニーを見ながらこう言いました。それに対しハーマイオニーは「啓発的だったと言ったのよ。面白いじゃなくて。色んな事が判ったわ」とそう言葉を返したというわけなんですよね。

ハリーは驚いて「本当?中身のない無駄話ばっかりに聞こえたけど」と言いましたがハーマイオニーは深刻な言い方で「その無駄話に大事な事が隠されていたのよ」と応えロンは「そうかい?」と言ってキョトンとしました。

それからハーマイオニーは「例えば」と言って問題の文言を挙げ始め「進歩のための進歩は奨励されるべきではありません」に「禁ずべきやり方と判ったものは何であれ切り捨て」の2つをハリーとロンに示したんですよね。

ロンが何なんだとばかりに焦れったそうに「さあどういう意味だい?」と訊くとハーマイオニーは不吉な知らせを告げるかのように「教えて差し上げるわ。魔法省がホグワーツに干渉するという事よ」とそう答えたのでした。

するとダンブルドアがお開きを宣言したようで周りが騒がしくなりました。全員立ち上がって大広間を出て行く様子です。ハーマイオニーが大慌てで飛び上がりロンに「1年生の道案内をしないと!」とそう言ったんですよね。

ロンは完全に忘れていたようで「ああそうか」と言うと1年生に向かって「おい。おいお前たち。ジャリども!」と呼びかけました。それを聞いてハーマイオニーは「ロン!」と呼ぶ声に抗議の意思を含ませたというわけです。

「だってこいつらチビだぜ」と言うロンにハーマイオニーは「知ってるわよ。だけどジャリはないでしょ!」と言いハーマイオニーは「1年生!」と威厳たっぷりにテーブル全体に向かって呼びかけたというわけなんですよね。

ハーマイオニーに「こっちへいらっしゃい!」と声をかけられた新入生のグループは恥ずかしそうにグリフィンドールとハッフルパフのテーブルの間を歩きました。ハリーが見ると1年生は本当に小さく見えたというわけです。

誰もが先頭に立たないようにしていました。自分がここに来た時は絶対こんなに幼くなかったとハリーは思いました。ハリーは1年生に笑いかけました。ところが残念ながら1年生も「日刊予言者新聞」を読んでいたようです。

ユーアン・アバクロンビーの隣のブロンドの少年の顔が強張ってユーアンを突ついて耳元で何かを囁きました。するとユーアン・アバクロンビーも同じように怯えた顔になって恐々ハリーを見て来たというわけなんですよね。

ハリーの顔から臭液の如く微笑みがゆっくり落ちて行きました。ハリーはロンとハーマイオニーに「また後で」と告げ1人で大広間を出て行きました。その後もハリーには囁く声や見つめる目や指差す動きがつきまといました。

ハリーはまっすぐ前方を見つめ可能な限り無視する事を余儀なくされたというわけなんですよね。

今日の最後に
三度目に「ェヘンェヘン」と咳払いをした後アンブリッジ先生は溜め息混じりが少し消えずっとしっかりした口調で暗記したかのような無味乾燥な話し方になっていました。ハリーは注意力が退いて行くのが判ったそうです。

これを境に大広間は騒然となって行きました。これはドローレス・アンブリッジの生徒に自分の話を聞かせまいとする高等戦術の話し方なんですよね。そのため大多数の生徒はアンブリッジ先生の話を聞いていませんでした。

ちゃんと聞いていたのはハーマイオニーを含む極々一部の生徒と先生方だけでした。でもアンブリッジ先生にしてみれば自分は新学期初日にちゃんとあなた方に説明をした。聞いていなかったあなた方が悪いというわけです。

こうして大多数の生徒の耳には入れずにアンブリッジ先生はハーマイオニーが言うように「魔法省はホグワーツに干渉する」と高らかに宣言したというわけなんですよね。
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