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ハリーはその初授業の際にいきなりアンブリッジから罰則を科され翌週も食らって2週間にも及ぶ事になってしまいました。ところがその罰則を受けている時に額の傷痕に激痛が走りハリーは1つの懸念を抱きました。しかしそれはどうやら杞憂のようでした。何故ならハーマイオニーもシリウスも・・・(全3項目)

3-1.小さい新聞記事で
アンブリッジの罰則は手の甲に刻まれた「僕は嘘をついてはいけない」という文字から血が滲み出すというおぞましい内容でした。ハリーは翌週もアンブリッジの罰則を受ける羽目になってしまったというわけなんですよね。

大声でクィレルは素晴らしい先生だった。ただちょっとだけ欠点があってヴォルデモートが後頭部から飛び出していたと言ってしまったからです。そしてその記事は学期最初の土曜日の「日刊予言者新聞」に掲載されました。

「魔法省侵入事件」と題するその記事は6行足らずと短くて騎士団員で先発護衛隊の1人としてプリベット通り4番地にハリーを迎えにも来ていたスタージス・ポドモアがウィゼンガモットに出廷をしたとそう書かれていました。

罪名は「魔法省に侵入並びに強盗未遂」だそうです。スタージス・ポドモアは8月31日午前1時に最高機密の部屋に押し入ろうとしている所を捕まったんだそうです。そしてアズカバンに6ヵ月収監の刑を言い渡されたそうです。

スタージス・ポドモアは学期初日にキングズ・クロス駅に行く護衛隊に加わるはずだった。ところが姿を現さなかったのでマッド・アイ・ムーディが随分やきもきしていた。したがって騎士団の仕事をしていたはずなどない。

こう指摘したのはハリーでした。それを聞いてハーマイオニーは騎士団は多分スタージス・ポドモアが捕まるとは思っていなかったと意見を言いました。ロンは魔法省はスタージス・ポドモアがダンブルドアの一味と疑った。

そこで魔法省の連中はスタージス・ポドモアを誘い込んだ。スタージス・ポドモアは部屋に押し入ろうとしたわけじゃない。スタージス・ポドモアを捕まえるのに何かをでっち上げたんだというそういう意見だったのでした。

ハリーは「そんな事は有り得ない」と思いました。その一方でハーマイオニーのほうは感心したような顔をして「ねえ納得できるわ。その通りかもしれない」と言ってロンが言った意見に賛同をしたというわけなんですよね。

3-2.あいつが怒っている
そのスタージス・ポドモアの小さな記事が載った日の早朝ハリーはシリウスに手紙を出しました。アンブリッジの罰則の最終日に額の傷痕に激痛が走ったのです。その事でハリーは1つの懸念を抱いたというわけなんですよね。

それはかつてクィレルをしたようにヴォルデモートがアンブリッジを操っているのではという事です。ハーマイオニーは「あの人」つまりヴォルデモートは自分の体を持っているから取り憑く事はできないという意見でした。

誰も触っていないのに痛む事があった。だからハーマイオニーは偶然だったかもしれないと言いました。そして日曜日の夜談話室の暖炉から顔を出したシリウスもそれほど深刻になる必要はないとそう言ったというわけです。

ヴォルデモートが戻って来たからにはもっと頻繁に痛む事になるだろうとシリウスは言ったのでした。だからシリウスも罰則を受けていたその時アンブリッジがハリーに触れた事と傷痕が痛んだ事は関係ないとの意見でした。

そしてそれはクィディッチの練習を終えてハリーにロンを含めたグリフィンドール・チームの面々が更衣室にいた時でした。額の傷痕にまた激痛が走りました。ハリーはロンに目配せをして2人は更衣室に残ったんですよね。

「あの人」つまりはヴォルデモートが今そばにいるわけがないだろう?こう訊くロンにハリーはそんなつもりは全くないのに「多分ずーっと遠くにいる。でも痛んだのはあいつが怒っているからだ」とそう答えたんですよね。

別の人間が話すのを聞いたかのようでした。ところがハリーは直感的に「そうに違いない」と思いました。どうしてなのかは分りませんがそう思ったのです。ヴォルデモートがどこにいるのかも何をしているのかも知らない。

しかし確かにヴォルデモートは激怒しているのです。ロンは恐ろしそうに「あの人が見えたの?幻覚か何かあったの?」と訊いて来ました。ハリーは足元を見つめると痛みが治まって気持ちも記憶も落ち着くのを待ちました。

縺れ合う幾つかの影。怒鳴りつける声の響き。

ハリーは「奴は何かをさせたがっている。それなのになかなか上手く行かない」と言いました。またしても言葉が口をついて出て来るのが聞こえて来てハリー自身が驚きました。しかもそれが本当の事という確信があります。

ロンが「でも。どうして判るんだ?」と訊いて来ました。ハリーはその問いには答えず首を横に振ると両手で目を覆って手の平で強く押しました。目の中に小さな星が飛び散りました。ロンは今度はこう訊いて来たのでした。

「前の時もそうだったの?アンブリッジの部屋で傷痕が痛んだ時?例のあの人が怒ってたの?」

ハリーはまた首を横に振ると「それなら何なのかなあ?」と言いました。そしてハリーは記憶をたどったのでした。

3-3.ヴォルデモートの心を読んでいる?
アンブリッジの顔を見つめていた。傷痕が痛んだ。胃袋におかしな感覚が。何だか奇妙な飛び跳ねるような幸福な感覚だった。しかしそうだ。あの時ハリーは気づきませんでしたがあの時はとても惨めな気持ちだったのです。

だから奇妙だったんですよね。そしてハリーは「この前は奴が喜んでいたからなんだ。本当に喜んでいた。奴は思ったんだ。何がいい事が起こるって」と言いました。それからハリーは続けてこう言ったというわけですよね。

「それにホグワーツに僕たちが帰る前の晩。奴は怒り狂ってた」

ハリーはグリモールド・プレイス12番地のロンと一緒の寝室で傷痕が痛んだあの瞬間の事を思い出しながら言いました。ロンは口をあんぐり開けハリーを見ていました。そして恐れと尊敬の入り交じった声でこう言いました。

「君おいトレローニーに取って代われるぜ」

ハリーは自分は予言をしているわけじゃないと応えました。するとロンは恐ろしいような感心したような声でハリーは「例のあの人」つまりヴォルデモートの心を読んでると言いましたがハリーは首を横に振ったんですよね。

「違う。むしろ気分を読んでるんだと思う。どんな気分でいるのかがちらっと判るんだ。ダンブルドアが先学期にそんなような事が起こっているって言った」

ハリーはこう言い続けて「ヴォルデモートが近くにいるとか憎しみを感じていると僕にそれが判るってそう言ったんだ。でも今は奴が喜んでいる時も感じるんだ」と言ってその理由をロンに説明したというわけなんですよね。

一瞬の沈黙の後にロンが「誰かに言わなくっちゃ」と進言しハリーは「この前はシリウスに言った」と応えました。するとロンは「今回の事も言えよ!」と言いました。しかしもはやシリウスには言えない状況なんですよね。

アンブリッジがふくろうも暖炉も見張っているからです。するとロンは今度は「じゃダンブルドアだ」と言いました。ハリーは「今言ったろう。ダンブルドアはもう知ってる。また言ったって意味ないよ」とそう応えました。

ロンは「ダンブルドアは知りたいだろうと思うけど」と反論しましたがハリーは肩をすくめたのでした。夏休みに入ってからの最近のダンブルドアは自分に対しては何だかよそよそしい態度だからだというわけなんですよね。

今日の最後に
8月12日の懲戒尋問の際にハリーとアーサー氏は魔法省の地下9階でルシウス・マルフォイ氏と出くわしました。その目的は地下9階の扉の向こうにヴォルデモートが欲しがる例の「武器」があったからというわけなんですよね。

そこでルシウス氏はその時見張りをしていた騎士団員のスタージス・ポドモアに「服従の呪文」をかけその「武器」を奪わせようとしました。でも新聞記事の通りでスタージス・ポドモアは捕まってしまったというわけです。

そして先学期もだったのですが今学期になるとハリーの額の傷痕が前にも増して頻繁に痛むようになりました。シリウスはその原因はヴォルデモートが復活して体を取り戻したからだとハリーにそう説明したというわけです。

ハーマイオニーもシリウスと同意見でした。しかし何故ハリーの額の傷痕が痛むのかについての真相はシリウスもハーマイオニーもさらにはハリー自身も全く知らず現時点で知っているのはダンブルドアだけというわけです。

ハリーがそれを知るのはもっともっと先の事というわけなんですよね。
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