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スネイプは戦いの最中から自分がヴォルデモートに呼び寄せられた理由を察して「叫びの屋敷」を離れようとしました。しかし駄目でした。ついにヴォルデモートはスネイプに対して最後通告を突きつけました。そしてハリーはそんなスネイプの思いを見抜いて・・・(全3項目)

3-1.疑問があるのだ
繰り返し何度もハリーを探しに行かせて欲しいと言うスネイプにヴォルデモートは「言ったはずた。許さぬ!」と言いました。ハリーは再び振り向いたヴォルデモートの眼が一瞬赤く光るのを見たというわけなんですよね。

「俺様が目下気がかりなのはセブルスあの小僧とついに顔を合わせた時に何が起こるかという事だ!」

ハリーは額の傷痕の焼けるような痛みでヴォルデモートの苛立ちを感じました。こう言うヴォルデモートにスネイプは「我が君疑問の余地はありません。必ずや」と応えましたがヴォルデモートはこう言ったというわけです。

「いや疑問があるのだセブルス。疑問が」

ヴォルデモートは立ち止まりハリーはその姿を再びはっきり見ました。青白い指にニワトコの杖を滑らせながらヴォルデモートはスネイプを見据えました。そしてスネイプに向かってこう問いかけたというわけなんですよね。

「俺様の使った杖が2本ともハリー・ポッターを仕損じたのは何故だ?」

この問いにスネイプは「わ-私めには分りません。我が君」と答えてヴォルデモートは「分らぬと?」と言いました。ヴォルデモートの怒りが杭を打ち込むようにハリーの頭を刺しハリーは痛みのあまり叫びそうになりました。

そのため拳を口に押し込みました。それから目を閉じました。すると突然ハリーはヴォルデモートになりスネイプの蒼白な顔を見下ろしていました。ヴォルデモートはスネイプに過去の経緯の説明をしたというわけですよね。

自分のイチイの杖はハリー・ポッターを亡き者にする以外なら何でも自分の言うがままに事を成した。イチイの杖は2度もしくじりおった。オリバンダーを拷問した所双子の芯の事を吐いて別な杖を使うようにと言いおった。

自分はそのようにした。しかしルシウス・マルフォイ氏の杖はハリーの杖に出会って砕けた。ヴォルデモートがここまで説明した所でスネイプは「我輩-私めには我が君説明できません」とそう口を挟んだというわけですよね。

3-2.最後通告
スネイプはもうヴォルデモートを見てはいませんでした。その目は守られた球体の中でとぐろを巻くナギニを見詰めたままです。ヴォルデモートの説明は続きヴォルデモートはスネイプにこう言ったというわけなんですよね。

「俺様は3本目の杖を求めたのだセブルス。ニワトコの杖。宿命の杖。死の杖だ。前の持ち主から俺様はそれを奪った。アルバス・ダンブルドアの墓からそれを奪ったのだ」

ここでスネイプは再びヴォルデモートを見ました。その顔はデスマスクのようでした。大理石のように白く全く動きません。その顔が話した時は虚ろな両目の裏に生きた人間がいる事が衝撃的だったというわけなんですよね。

「我が君。小僧を探しに行かせてください」

「この長い夜俺様が間もなく勝利しようという今夜俺様はここに座り考えに考え抜いた」こう話すヴォルデモートの声はほとんど囁き声でした。何故このニワトコの杖はあるべき本来の杖になる事を拒むのか考えたそうです。

何故伝説通りに正当な所有者に対し行うべき技を行わないのか?考えに考え抜いたその末にヴォルデモートはどうやら答えを得たと告げました。告げられたスネイプは無言でした。スネイプは最後通告を突き付けられました。

「おそらくお前は既に答えを知っておろう?何しろセブルスお前は賢い男だ。お前は忠実な良き下僕であった。これからせねばならぬ事を残念に思う」

ヴォルデモートの言う通りだったようでスネイプは「我が君」と言ったものの後の言葉が続きませんでした。ニワトコの杖が自分にまともに仕える事ができないのは自分がニワトコの杖の真の持ち主ではないからだそうです。

ニワトコの杖は最後の持ち主を殺害した魔法使いに所属する。お前つまりはセブルス・スネイプがアルバス・ダンブルドアを殺害した。だからスネイプが生きている限りニワトコの杖は真にヴォルデモートの杖にはならない。

スネイプは「我が君!」と抗議をすると杖を上げました。しかしヴォルデモートは「これ以外に道はない」と言いました。そしてスネイプに自分はこの杖の主人にならねばならぬと告げ最後にこう言ったというわけですよね。

「杖を制するのだ。さすれば俺様はついにポッターを制する」

ヴォルデモートはニワトコの杖で空を切りました。何事も起こらなかったのでスネイプは一瞬「死刑を猶予された?」と思ったようです。しかしやがてヴォルデモートの意図がはっきりしてナギニの檻が空中で回転しました。

スネイプは叫ぶ間はあったもののナギニの檻の中に頭も肩も取り込まれていました。ヴォルデモートはナギニに蛇語でスネイプの殺害を命じたというわけなんですよね。恐ろしい悲鳴が聞こえ僅かに残る血の気も失せました。

蒼白になったスネイプの顔に暗い目が大きく見開かれていました。ナギニの牙にその首を貫かれ魔法の檻を突き放す事もできずスネイプは床に膝をついてヴォルデモートは「残念な事よ」と冷たく言ったというわけですよね。

3-3.断末魔のスネイプの所に
ヴォルデモートは悲しみも後悔もなくスネイプに背を向けました。屋敷を出て指揮を執るべき時が来た。今度こそ自分の意のままに動くはずの杖を持ってヴォルデモートはナギニを入れた檻に杖を向けたというわけですよね。

檻はスネイプを離れてゆっくり上昇しスネイプは首から血を噴き出して横に倒れました。ヴォルデモートは振り返りもせず部屋から出て行きました。ナギニは巨大な球体に守られてヴォルデモートの後から従いて行きました。

トンネルの中では我に返ったハリーが目を開けていました。叫ばないようにと強く噛んだ拳からは血が出ていました。木箱と壁の小さな隙間から今ハリーが見ているのは床で痙攣している黒いブーツの片足だったんですよね。

背後でハーマイオニーが「ハリー!」と息を潜めて呼びかけました。しかしハリーは既に視界を遮る木箱に杖を向けていました。木箱は僅かに宙に浮いて静かに横へとずれました。ハリーは極力そっと部屋に入り込みました。

何故そんな事をするのか?ハリーには分りませんでした。何故死にゆく男に近づくのか?ハリーには分りませんでした。ハリーはスネイプの血の気のない顔と首の出血を止めようとしているその指を見詰めていたんですよね。

自分が一体どういう気持ちなのかハリーには分りませんでした。ハリーは「透明マント」を脱ぎ憎んでいた男を見下ろしました。瞳孔が広がって行くスネイプの暗い目がハリーを捕えるとスネイプは話しかけようとしました。

ハリーが屈むとスネイプはハリーのローブの胸元を掴んで引き寄せました。息苦しい音がスネイプの喉から漏れて来て「これを。取れ。これを取れ」とスネイプは言いました。血以外の何かがスネイプから漏れ出ていました。

青みがかった銀色の気体でも液体でもない物がスネイプの口からも両耳からもさらには両目からも溢れ出ていました。ハリーはその物が「記憶」だという事は判ってはいましたがどうしていいのかは分らなかったんですよね。

ハーマイオニーがどこからともなくフラスコを取り出して来てハリーの震える手へと押しつけました。ハリーは杖でスネイプの「記憶」をそのフラスコに汲み上げました。フラスコの口元まで一杯になったその時の事でした。

スネイプにはもはや一滴の血も残っていないかのように見えました。ハリーのローブを掴んでいたスネイプの手が緩みました。スネイプはハリーに向かってこう囁きました。ハリーの緑の目がスネイプの黒い目を捉えました。

「僕を・・・見て・・・くれ」

しかし一瞬の後にスネイプの黒い両眼の奥底で何かが消えて無表情な目が一点を見詰めたまま虚ろになりました。ハリーを掴んでいたスネイプの手が床に落ちてスネイプはそれきり動かなくなってしまったというわけですよね。

今日の最後に
当サイトでは折ある毎にハリーは極めて優秀な開心術士だとそう指摘をしています。ナギニに首を噛み切られて死にゆくスネイプにハリーは近づいて行って「透明マント」を脱ぐとスネイプを見下ろしたというわけですよね。

ハリーは自分でも何故こんな事をするのかの理由が分からないと思いつつもスネイプに近づいて「透明マント」を脱ぐと見下ろしました。何故ならハリーは自分が開心術に長けている事を知らず自覚がないからなんですよね。

そんなハリーに断末魔のスネイプは「記憶」を差し出しました。生前にアルバス・ダンブルドアから託されたハリーへの伝言を伝えるためでした。だからヴォルデモートに何度も何度も同じ申し出をしたというわけですよね。

ハリーを探しに行く事を許して欲しいという申し出です。スネイプにはヴォルデモートに引き渡すその前にハリーにダンブルドアからの伝言を伝える必要があったのです。その申し出はそういう事情だったからなんですよね。

ハリーはスネイプのその思いを開心術で見抜いたから歩み寄って「透明マント」を脱いで姿を現したというわけなんですよね。
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