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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

ヴォルデモートと競って杖を追う事はしないとハリーは心に決めました。しかしその決定の重大さがハリーを怯えさせました。ロンとハーマイオニーの意見が正反対に分かれた事でハリーを混乱させました。ハリーは迷ってばかりいたんですよね。その一方でグリップフックが・・・(全3項目)

3-1.迷いだらけのハリー
ビルとフラーの家は海を見下ろす崖の上に建つ白壁に貝殻を埋め込んだ一軒家で寂しくも美しい場所でした。潮の満ち引く音が小さな家の中にいても庭でも大きな生物がまどろむ息のようにハリーに絶え間なく聞こえました。

家に着いてから2~3日の間はハリーは人で溢れ返る家から逃れる口実を見つけては外に出ました。崖の上に広がる空と広大で何もない海の景色を眺め冷たい潮風を顔に感じたかったんですよね。ハリーは心に決めたのでした。

それはヴォルデモートと競って杖を追う事はしないという事です。その決定の重大さが未だにハリーを怯えさせました。ハリーはこれまで一度も何かをしないという選択をした記憶がありません。ハリーは迷いだらけでした。

ロンと顔を合せる毎にロンのほうが我慢できずにその迷いを口に出し「もしかしてダンブルドアは僕たちがあの印の意味を解読して杖を手に入れるのに間に合って欲しいと思ったんじゃないのか?」とそう言ったりしました。

あるいは「あの印を解読したら君が秘宝を手に入れるにふさわしい者になったという意味じゃないか?」と訊いて来たりもしました。ロンは手を変え品を変えハリーに「ニワトコの杖」を取りに行くべきだったと言いました。

さらにロンはそれが本当に「ニワトコの杖」だったら僕たち一体どうやって「例のあの人」つまりヴォルデモートをやっつけられると言うんだと訊いたりもしました。ロンの問いにハリーは答える事ができなかったのでした。

ヴォルデモートが墓を暴くのを阻もうともしなかったなんて全く頭がどうかしていたのではないかとハリー自身がそう思う時すらありました。どうしてそうしないと決めたのかの満足の行く説明さえもできない有り様でした。

その結論を出すまでの理論づけを再現しようとしてもそのたびに根拠が希薄になって行くような気がしました。加えておかしな事にはハーマイオニーが支持してくれる事がロンの疑念と同じくらいにハリーを混乱させました。

「ニワトコの杖」が実在すると認めなくてはならなくなったハーマイオニーはその杖が邪悪な品だと主張しました。そしてヴォルデモートは考えるだけでも汚らわしい手段で杖を手に入れたのだとそう言ったというわけです。

3-2.ハリーが庭に1人でいると
ハーマイオニーは何度も繰り返し「あなたにはあんなこと絶対できなかったわハリー。ダンブルドアの墓を暴くなんてあなたにはできない」と言いました。でもハリーはダンブルドアの亡骸自体は恐ろしくありませんでした。

それよりむしろ生前のダンブルドアの意図を誤解したのではないかという可能性のほうが恐ろしかったのです。ハリーは未だに暗闇を手探りしているような気がしていました。行くべき道は選んだとハリーはそう思いました。

しかし何度も振り返り標識を読み違えたのではないかとか他の道を行くべきではなかったのかと迷いました。時にはダンブルドアへの怒りが家の建つ崖下に砕ける波のような強さで押し寄せハリーは押しつぶされそうでした。

ダンブルドアが死ぬ前に説明してくれなかった事への憤りです。そしてそれは「貝殻の家」に着いてから3日目の事でした。その時ハリーは庭と崖を仕切る壁の上から遠くを眺めていましたがロンとハーマイオニーが来ました。

それからロンが「だけど本当に死んだのかな?」と言いました。その問いにハーマイオニーが「そうよ死んだのよロン。お願いだから蒸し返さないで!」と答えました。ハリーは1人にしておいて欲しいと思っていたのでした。

そのため2人の議論に加わる気には到底なれませんでした。ロンとハーマイオニーはハリーの左右にいてロンはハリーの向こう側にいるハーマイオニーにこう反論しました。2人の間にいるハリーは地平線を見つめたままでした。

「事実を見ろよハーマイオニー。銀色の牝鹿。剣。ハリーが鏡の中に見た目」

ハーマイオニーは「ハリーは目を見たと錯覚したのかもしれないって認めているわ!」と言い返し「ハリーそうでしょう?」と訊いて来てハリーを無理やり議論に引きずり込んで来てハリーはその問いにこう答えたのでした。

「そうかもしれない」

ハリーはハーマイオニーを見ずにこう言いました。すると今度はロンがハリーに「だけど錯覚とは思ってない。だろ?」と訊いて来てハリーは「ああ思ってない」と答えロンは間髪入れずに「それ見ろ!」と言ったのでした。

ロンはハーマイオニーが割り込む前に急いで言葉を続け「もしあれがダンブルドアじゃなかったのならドビーはどうやって僕たちが地下牢にいるって判ったのかハーマイオニー説明できるか?」とそう問い質したんですよね。

「できないわ。でもダンブルドアがホグワーツの墓に眠っているならどうやってドビーを差し向けたのか説明できるの?」

ハーマイオニーはこう答えロンが「さあなダンブルドアのゴーストだったんじゃないか?」と見解を述べるとハリーは思わず「ダンブルドアはゴーストになって戻って来たりはしない」と答えてしまったというわけですよね。

ダンブルドアについて今ハリーが確実に言える事などほとんどありませんでしたがそれだけは判っていました。ハリーがさらに「ダンブルドアは逝ってしまうだろう」と言うとロンがハリーに向かってこう訊いて来ました。

「逝ってしまうってどういう意味だ?」

しかしハリーが答えるその前に背後で「ア(ハ)リー?」と呼ぶ声が聞こえてフラーが家から出て来ていてハリーにグリップフックがあなたに話したい。一番小さい寝室にいます。誰にも盗み聞きされたくないと言っている。

そう伝えたのでした。

3-3.ハリーを助けると言ったものの
小鬼に伝言役にされた事をフラーが快く思っていないのは明らかでした。ぷりぷりしながら家に戻って行きました。そしてそのグリップフックはフラーが言ったように3つある寝室の内の一番小さい部屋で待っていたのでした。

そこはハーマイオニーとルーナが寝ている部屋でグリップフックが赤いコットンのカーテンを閉め切っていたので雲の浮かぶ明るい空の光が透けて部屋は燃えるように赤く輝き優雅で軽やかな感じのこの家には似合いません。

「結論が出ました。ハリー・ポッター。グリンゴッツの小鬼たちはこれを卑しい裏切りと考えるでしょうが私はあなたを助ける事にしました」

グリップフックは脚を組んで低い椅子に腰掛け細い指で椅子の肘掛けをトントンと叩いていました。ハリーは「良かった!」と応えながら体中に安堵感が走るのを感じました。それがところがだったというわけなんですよね。

ハリーが「グリップフックありがとう。僕たち本当に」とお礼の言葉を言いかけた時でした。グリップフックははっきりと「見返りに代償をいただきます」と言いました。ハリーは少し驚いてまごついたというわけですよね。

ハリーが「どのくらいかな?僕はお金を持っているけど」と訊くとグリップフックは「お金ではありません。お金は持っています」と答えました。グリップフックの黒い目がキラキラ輝きその目には白目がありませんでした。

「剣が欲しいのです。ゴドリック・グリフィンドールの剣です」

グリップフックはこう言って助けると言われて高揚していたハリーの気持ちはがくんと落ち込みました。ハリーが「それはできない。すまないけど」と言うとグリップフックは静かに「それは問題ですね」と言ったのでした。

「他の物をあげるよ。レストレンジたちはきっとごっそり色んな物を持ってる。僕たちが金庫に入ったら君は好きな物を取ればいい」

ロンは熱心にこう言いました。しかしこれは失言でした。グリップフックは怒りで真っ赤になって「私は泥棒ではないぞ!自分に権利のない宝を手に入れようとしているわけではない!」とまくしたてたというわけですよね。

ロンが「剣は僕たちの」と意見を言いかけた所でグリップフックは「違う」と言いました。グリップフックにはグリップフックなりの主張と根拠がありグリフィンドールの剣を代償に貰う権利があるというわけなんですよね。

今日の最後に
「分魂箱」か?それとも「死の秘宝」か?ハリーがこれを選択する時にはあまりに時間がなかったためハリーは「分魂箱」を選んだものの後から散々悩み迷う事になってしまいました。さらに新たな問題が発生しましたよね。

それはロンとハーマイオニーの意見が正反対に分かれてしまった事です。ハーマイオニーは「分魂箱」を選んだハリーの決心は正しいと主張してロンは「ニワトコの杖」を取りに行くべきだったと言ったというわけですよね。

2人の板挟みになってハリーが怯え悩み迷う気持ちに拍車をかける事になってしまいました。そのお陰でハリーは何故死ぬ前に説明してくれなかったんだと憤りダンブルドアへの怒りが再燃する事になってしまったんですよね。

ダンブルドアの意図を読み違えたのではないか?行くべき道は選んだと思っても何度も振り返り標識を読み違えたのではないか?他の道を行くべきではなかったのかとハリーは散々迷う事となってしまいました。しかしです。

実はハリーの選択は正しかったんですよね。ここで私はラジオ番組「ポッターウォッチ」でルーピンがハリーに言った「自分の直感に従え。それは良い事だしほとんど常に正しい」という言葉を紹介してみたいと思いますね。

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