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グリンゴッツのレストレンジ家の金庫に隠されているヴォルデモートの分魂箱を奪うためハリーたち3人とグリップフックは「貝殻の家」を出発してダイアゴン横丁に向かいました。ところがその入場はとてつもなく派手になってしまいハリーは出直そうと思ったのですが・・・(全3項目)

3-1.いよいよいざ出発!
ハリーとロンが先に庭に出て待っているとグリップフックを従えてベラトリックス・レストレンジがやって来ました。正体はハーマイオニーだと判ってはいてもハリーはおぞましさで思わず身震いをしてしまったんですよね。

ベラトリックスはハリーより背が高く長い黒髪を背中に波打たせて厚ぼったい瞼の下からハリーを蔑むような目で見ました。しかし話し始めるとベラトリックスの低いその声を通してハーマイオニーらしさが感じ取れました。

「反吐が出そうな味だったわ。ガーディルートよりひどい!じゃあロンここへ来て。あなたに術を」

するとロンが「うんでも忘れないでくれよ。あんまり長い鬚は嫌だぜ」と言ってハーマイオニーは「まあ何を言ってるの。ハンサムに見えるかどうかの問題じゃないのよ」と応えてロンはこう言ったというわけなんですよね。

「そうじゃないよ。邪魔っけだからだ!でも鼻はもう少し低いほうがいいな。この前やったみたいにしてよ」

ハーマイオニーは溜め息をついて仕事に取りかかると声を潜めて呪文を唱えながらロンの容貌のあちらこちらを変えて行きました。ロンは全く実在しない人物になる予定でベラトリックスの悪のオーラがロンを守ってくれる。

そうみんなが信じていました。一方ハリーとグリップフックは「透明マント」で隠れる手筈になっていました。ロンの変装が終わりハーマイオニーが「さあこれでどうかしらハリー?」と訊いて来たというわけなんですよね。

変装していても辛うじてロンと見分けがつきましたが多分それは本人をあまりによく知っているせいだろうとハリーは思いました。ロンは髪の毛を長く波立たせ顎と口の上に濃い褐色の鬚を生やしそばかすは消えていました。

鼻は低く横に広がって眉は太くなっていました。ハリーは「そうだな僕の好みのタイプじゃないけどこれで通用するよ」と合格点を出し「それじゃ行こうか?」と言いました。出発に先立ちハリーたち3人は振り返りました。

ハリーたち3人は薄れゆく星明かりの下に静かに影のように横たわる「貝殻の家」を一目だけ振り返りました。それから家に背を向けて境界線の壁を越える地点を目指して歩きました。その地点で「忠誠の術」は切れるのです。

そこからは「姿くらまし」ができるようになるんですよね。

3-2.ダイアゴン横丁に足を踏み入れると
門を出るとすぐグリップフックが口を開いて「確かここで私はおぶさるのですねハリー・ポッター?」と言いハリーは屈んでグリップフックはハリーの背中によじ登って首の前で両手を組みました。重くはなかったのでした。

ただハリーは小鬼の感触やしがみついて来る驚くほどの力が嫌でした。ハーマイオニーがビーズバッグから「透明マント」を出して2人の上から被せて屈んでハリーの足元を確かめながらこう言ったというわけなんですよね。

「完璧よ。何にも見えないわ。行きましょう」

ハリーはグリップフックを乗せたままでダイアゴン横丁の入口の「漏れ鍋」へと「姿現わし」しました。締めつけられるような暗闇に入るとグリップフックはさらに強くしがみついて来ました。数秒後には到着したのでした。

「漏れ鍋」のバーにはほとんど誰もいませんでした。腰の曲がった歯抜けの亭主のトムがカウンターの中でグラスを磨いていました。隅で内緒話をしていた2人の魔法戦士がハーマイオニーの姿を見て暗がりに身を引きました。

ハーマイオニーが通り過ぎる時トムが「マダム・レストレンジ」と呟きへつらうように頭を下げました。ハーマイオニーは「おはよう」と挨拶をしました。ハリーはグリップフックを肩に乗せたままこっそり通り過ぎました。

その際にトムの驚いた顔が見えました。小さな裏庭に抜けながらハリーはハーマイオニーに「丁寧過ぎるよ。他の奴らは虫けら扱いにしなくっちゃ!」と囁いてハーマイオニーは「はいはい!」と応えたというわけですよね。

ハーマイオニーはベラトリックスの杖を取り出し平凡なレンガの壁を叩きました。たちまちレンガが渦を巻き回転して真ん中に現れた穴が広がりました。そして狭い石畳のダイアゴン横丁に続くアーチ形の入口になりました。

横丁は静まり返っていました。開店の時間にはまだ早く買い物客の姿はほとんどありませんでした。11才の誕生日にハリーが初めて来た時はこの曲がりくねった石畳の通りはにぎやかな場所でしたが今は様変わりしています。

これまでになく多くの店が閉じられ窓に板が打ちつけられています。前回来た時にはなかった数軒の店が闇の魔術専門店として開店していました。あちらこちらのウィンドウにはボスターが貼られていたというわけですよね。

それは「問題分子ナンバーワン」の説明書きがついたハリーのポスターだったんですよね。何人ものボロを着た人たちが店の入口にうずくまっていました。まばらな通行人に呻くように呼びかけては金銭をせびっていました。

そして自分たちは本当に魔法使いなのだと言い張っている声がハリーの耳に届きました。1人の男は片方の目を覆った包帯が血だらけでした。横丁を歩き始めると物乞いたちはハーマイオニーの姿を見て姿を消して行きました。

それはまるで溶けてなくなるようでフードで顔を隠し蜘蛛の子を散らすように逃げて行く後ろ姿をハーマイオニーは不思議なものを見るように眺めていました。するとそこに血だらけの包帯の男が現れたというわけですよね。

その男はよろよろとハーマイオニーの行く手を塞ぎハーマイオニーを指差すと大声で「私の子供たち!」と言いました。その声は正気を失ったような掠(かす)れて甲高い声でした。男はさらにこう言ったというわけですよね。

「私の子供たちはどこだ?あいつは子供たちに何をしたんだ?お前は知っている。知っている」

3-3.ド派手なダイアゴン横丁入場
ハーマイオニーは「私-私は本当に」と口ごもり男はハーマイオニーに飛びかかって喉に手を伸ばしました。その時バーンという音と共に赤い閃光が走って男は気を失って地面に投げ出されました。ロンが杖を構えていました。

ロンは杖を構えたまま鬚面の奥から衝撃を受けたような顔を覗かせ突っ立っていました。両側の窓々から何人かが顔を出す一方で裕福そうな通行人が小さな塊になり一刻も早く離れようと小走りにその場から立ち去りました。

ハリーたちのダイアゴン横丁入場は「これ以上目立つのは難しいだろう」というほど人目につきました。一瞬ハリーは今すぐ立ち去って別の計画を練るほうが良いのではないかと迷いました。ところがだったというわけです。

移動する間も相談する余裕もない内に背後で「何とマダム・レストレンジ!」と叫ぶ声が聞こえハリーはくるりと振り向きグリップフックはハリーの首にさらにしがみつきました。背の高い痩身の魔法使いが近づいて来ます。

大股でやって来たその魔法使いは王冠のように見えるもじゃもじゃした白髪で鼻は高くて鋭くグリップフックがハリーの耳に「トラバースだ」と囁きましたがハリーはその瞬間トラバースが誰だったか思い出せませんでした。

ハーマイオニーは思いっ切り背筋を伸ばすと可能な限り見下した態度で「私に何か用か?」と言いました。トラバースは明らかにむっとしてその場に立ち止まりました。グリップフックが声を潜めてこう言ったんですよね。

「死喰い人の1人だ!」

今日の最後に
今回ハリーたち3人はグリップフックも加わってグリンゴッツのレストレンジ家の金庫に隠されているヴォルデモートの分魂箱を奪うために計画の立案作業を「貝殻の家」で始めましたが昨年の魔法省の計画の繰り返しでした。

そしてついに計画を実行しハリーたちがダイアゴン横丁に来てみるとあまりにド派手な入場だったためハリーは「今すぐ立ち去って別の計画を練るほうが良いのではないか?」と迷いました。しかしそこに邪魔が入りました。

それは死喰い人の1人のトラバースという魔法使いでした。これでもはやハリーたちは一旦引き返して計画を練り直すという事が不可能になってしまいました。魔法省に潜入した時も思わぬ事態がハリーたちを襲いましたよね。

それはハリーにロンとハーマイオニーの3人がバラバラになって別行動になってしまったのです。そして今回も死喰い人のトラバースという招かざる客が現れるという全くの予想外の事態がハリーたちに襲いかかって来ました。

グリモールド・プレイス12番地にあったヴォルデモートの分魂箱をマンダンガス・フレッチャーに持ち出させてドローレス・アンブリッジの手に渡らせハリーたちが魔法省に潜入しなくてはならないように敢えて誘導をした。

私はダンブルドアがそうしたのではないかと勘ぐってしまいましたね。それはこうしてグリンゴッツに潜入するための予行練習だったというわけです。思わぬ事態が起こるかもしれないとハリーたちに学習させるためだった。

こうしてハリーたちはもはや引き返すという選択肢がなくなってしまいました。でもそれで良かったんですよね。
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