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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

追っ手が迫る中ハリーはヴォルデモートの分魂箱のヘルガ・ハッフルパフの金のカップをグリフィンドールの剣に引っ掛ける事に成功しました。しかし金庫の中は「双子の呪文」で増えて「燃焼の呪い」で熱くなった宝のコピーで溢れ返っていました。そしてでした。(全3項目)

3-1.やはり信用していなかった
ハーマイオニーが自分とロンと2人の小鬼を焼けた金属から守ろうとして「インパービアス!防水・防火せよ!」と金切り声で呪文を唱えました。ハリーは辛うじてグリフィンドールの剣の先に金のカップを引っ掛けました。

その時一段と大きな悲鳴が聞こえてハリーは下を見ました。ロンとハーマイオニーが腰まで宝に埋まりながら宝の満ち潮に飲まれようとするボグロッドを救おうともがいていました。グリップフックはもっとひどい状態です。

グリップフックに至っては既に沈んで姿が見えず長い指の先だけが見えていました。ハリーはグリップフックの指先を捕まえると引っ張り上げました。火脹れのグリップフックが泣き喚きながら少しずつ上って来たのでした。

ハリーは「リベラコーパス!身体自由!」と呪文を叫びグリップフックもろとも膨れ上がる宝の表面に音を立てて落下しました。グリフィンドールの剣がハリーの手を離れて飛びハリーは「剣を!」と叫んだというわけです。

熱い金属が肌を焼く痛みと戦いながらハリーは叫びました。グリップフックは灼熱した宝の山を何が何でも避けようと再びハリーの肩によじ登りました。扉の向こうではガチャガチャ音が耳を劈くほど大きくなっていました。

「剣はどこだ?カップが一緒なんだ!」

もう遅過ぎる。すると「そこだ!」と言って剣を見つけたのも飛びついたのもグリップフックでした。その途端ハリーはグリップフックが自分たちとの約束を全く信用していなかった事を思い知ったというわけなんですよね。

グリップフックは焼けた宝の海のうねりに飲み込まれまいと片手でハリーの髪の毛をむんずと掴みました。そしてもう一方の手で剣の柄を掴んでハリーに届かないように高々と振り上げました。その時の事だったんですよね。

剣の先に取っ手が引っ掛かっていた小さな金のカップが宙に舞いました。

3-2.啓示か?狂気か?
グリップフックを肩車したままハリーは飛びついてカップを掴みました。カップがじりじりと肌を焼くのを感じながらもハリーは決してカップを離しませんでした。数え切れないカップのコピーが握った手の中から出ました。

数多のハッフルパフのカップが飛び出して雨のように降りかかって来てもハリーはカップを離しはしませんでした。その時金庫の扉が開いてハリーは膨れ続けた火のように熱い金銀の雪崩に成す術もなく流されて行きました。

ロンにハーマイオニーと一緒にハリーは金庫の外へと押し出されました。体中を覆う火傷の痛みもほとんど意識せず増え続ける宝のうねりに流されながらもハリーはカップをポケットに押し込んで剣を取り戻そうとしました。

ハリーは手を伸ばしました。しかしグリップフックはもういませんでした。頃合いを見計らって素早くハリーの肩から滑り落ちたグリップフックは周囲を取り囲む小鬼の中に紛れ込んでそして剣を振り回してこう叫びました。

「泥棒!泥棒!助けて!泥棒だ!」

グリップフックは攻め寄せる小鬼の群れの中に消えて手に手に短刀を振りかざした小鬼たちは何の疑問もなくグリップフックを受け入れたのです。熱い金属に足を取られながらもハリーは何とか立ち上がろうともがきました。

そして脱出するには囲みを破るしかないと覚悟して「ステューピファイ!麻痺せよ!」と叫びました。ハリーの叫びにロンとハーマイオニーも続きました。赤い閃光が小鬼の群れに向かって飛び何人かが引っくり返りました。

しかし他の小鬼が攻め寄せて来ました。その上に魔法使いの数人の門番が曲がり角を走って来るのが見えました。その時です。繋がれたドラゴンが吠え猛り吐き出す炎が小鬼の頭上を飛び過ぎて魔法使いたちは身を屈めました。

そして逃げ出し今来た道を後退して行きました。その時啓示か?狂気か?ハリーの頭に突然閃くものがありました。ドラゴンを岩盤に鎖で繋いでいるがっしりした足枷に杖を向けてハリーは呪文をこう叫んだというわけです。

「レラシオ!放せ!」

足枷が爆音を上げて割れるとハリーは「こっちだ!」と叫びました。そして相変わらず攻め寄せる小鬼たちに「失神の呪文」を浴びせかけながらハリーは目の見えないドラゴンに向かって全速力で走ったというわけですよね。

「ハリー。ハリー。何をするつもりなの?」

ハーマイオニーはこう叫びましたがハリーは「乗るんだ。よじ登ってさあ」と答えました。ドラゴンは自由になっていた事にまだ気づいていませんでした。ハリーはドラゴンの後脚の曲がった部分を足掛かりにしたのでした。

そしてドラゴンの背中へとよじ登りました。鱗は鋼鉄のように硬くてドラゴンはハリーが乗った事など感じていないようでした。ハリーが伸ばした片腕にすがってハーマイオニーも登りロンがその後に登って来た直後でした。

ここでドラゴンは自分が自由になっている事に気づきました。

3-3.ドラゴン立つ!
ドラゴンは一声吼えると後脚で立ち上がりました。ハリーはゴツゴツした鱗を力の限りしっかりと掴んで両膝をドラゴンの背中に食い込ませました。ドラゴンは両方の翼を開いて悲鳴を上げる小鬼たちをなぎ倒したのでした。

ドラゴンは舞い上がりました。ハリーにロンとハーマイオニーの3人はトンネルの開口部方向に突っ込んで行くドラゴンの背中にぴったりと張り付いていました。天井で体がこすれて追っ手の小鬼たちは短剣を投げて来ました。

その短剣がドラゴンの脇腹を掠めました。ハーマイオニーが「外には絶対出られないわ。ドラゴンが大き過ぎるもの!」と言うと悲鳴を上げました。しかしドラゴンは開けた口から再び火を吐きトンネルを吹き飛ばしました。

床も天井も割れ砕けました。ドラゴンは力任せに鉤爪で引っ掻き道を作るのに奮闘していました。熱と埃の中でハリーは両目を固く閉じていました。岩が砕ける音とドラゴンの咆哮は耳を聾(ろう)するばかりだったのでした。

ハリーはドラゴンの背中に掴まっているのがやっとでした。今にも振り落とされるのではないかと思ったその時にハーマイオニーが「デイフォディオ!掘れ!」とドラゴンのトンネル掘りを手伝って叫ぶ声が聞こえました。

新鮮な空気を求め小鬼の甲高い声と鳴子の音から遠ざかろうと格闘しているドラゴンのために天井を穿(うが)っていたのです。ハリーとロンもハーマイオニーに倣(なら)って穴掘り呪文を連発し天井を吹き飛ばしたのでした。

地下の湖を通り過ぎたあたりで鼻息も荒く這い進むこの巨大な生き物は行く手に自由と広い空間を感じ取った様子でした。背後のトンネルはドラゴンが叩きつける棘のある尻尾と叩き壊された瓦礫とで埋まっていたのでした。

大きな岩の塊や巨大な鍾乳石の残骸も累々と転がっていました。後方の小鬼の鳴らすガチャガチャという音は段々くぐもり前方にはドラゴンの吐く炎で着々と道が開けていました。呪文の力とドラゴンの怪力が重なりました。

ハリーたち3人はついに地下トンネルを吹き飛ばして抜け出し大理石のホールに突入しました。小鬼も魔法使いも悲鳴を上げ身を隠す場所を求めて逃げ惑いました。ドラゴンはついに翼を広げられる空間を得たというわけです。

ドラゴンは入口の向こうに爽やかな空気を嗅ぎ分けて角の生えた頭をその方向に向けると飛び立ちました。ハリーにロンとハーマイオニーを背中にしがみつかせたままでドラゴンは金属の扉を力ずくで突き破ったのでした。

捻れて蝶番からだらりとぶら下がった扉を尻目によろめきながらダイアゴン横丁に進み出たドラゴンはそこから高々と大空に舞い上がったのでした。

今日の最後に
ハリーがグリンゴッツの重要な金庫がドラゴンで守られているらしいと知ったのは11才の誕生日でハグリッドの口から聞きました。そしてハリーはその日(多分)生まれて初めてグリンゴッツに足を踏み入れたというわけです。

しかしそのハグリッドが法律では禁止されているドラゴンの飼育をしてハリーはその恐ろしさを知る事となりました。ハリーは4年生の時に三大魔法学校対抗試合の代表選手に心ならずもなってしまいドラゴンと対決しました。

その時ハリーはドラゴンに対する恐怖心から初めてホグワーツから逃げ出す事を考えました。しかしハリーはドラゴンと対決して「第1の課題」をクリアする事でそのドラゴンへの恐怖心をも克服したというわけなんですよね。

それがあったからこそハリーは今回「ドラゴンの背中に乗ってグリンゴッツを脱出する」という発想が頭に思い浮かんだというわけです。ドラゴンの怖さを知ったその上で克服する。だからこそできた脱出というわけですね。

これもまたダンブルドアの願いだったと私はそう思いますね。

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