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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

ハリーは「禁じられた森」に赴きヴォルデモートが「死の呪文」を放ってハリーは倒れました。しかしヴォルデモートもまた同時に倒れました。ハリーは死にませんでした。するとヴォルデモートは自分ではなく他の者にハリーの死を確かめさせました。するとだったんですよね。(全3項目)

3-1.禁じられた森で
ハリーはヴォルデモートに殺害されるために「禁じられた森」に赴きヴォルデモートから「死の呪文」を放たれて倒れました。しかしハリーが倒れるのと時を同じくしてヴォルデモートもその場に倒れたというわけですよね。

ハリーはうつ伏せになって地面に倒れて「禁じられた森」の匂いが鼻腔を満たしていました。頬にひやりと固い土を感じて倒れた時に横にずれた眼鏡の蝶番がこめかみに食い込んで体中が一分の隙もなく痛んでいたのでした。

取り分け「死の呪文」に打たれた箇所は鉄のグローブを嵌めた拳を打ち込まれたようでした。ハリーは倒れたままの位置で左腕を不自然な角度に曲げて口はぽかんと開けたままでその場にじっとしていたというわけですよね。

自分が死んだ事を祝う勝利の歓声が聞こえるだろうとハリーはそう思いましたがあたりには慌ただしい足音と囁き声に気遣わしげに呟く声が満ちているだけでした。我が君つまりヴォルデモートが倒れてしまったからでした。

「我が君・・・我が君・・・」

ベラトリックス・レストレンジの声でまるで恋人に話しかけているようです。ハリーは目を開ける気にはなれませんでしたが視覚以外の感覚全てで自分の今の苦境を探ろうとしました。胸に何か固い物が押しつけられている。

それを感じてハリーは杖はまだローブに収まっているらしいと思いました。胃袋のあたりに薄いクッションが当てられているような感触からして「透明マント」もそこに外から見えないように隠されているはずのようでした。

「我が君」と呼び続けるベラトリックスにヴォルデモートが「もうよい」と言う声が聞こえました。また足音が聞こえました。どうやら数人の死喰い人が同じ場所から一斉に後退したようでした。ハリーは薄目を開けました。

何が起きているのか?何故なのか?それがどうしても知りたかったからです。

3-2.闇の帝王に指名されたのは?
気配でハリーはヴォルデモートが立ち上がろうとしているのを感じました。数人の死喰い人が慌ててヴォルデモートのそばを離れて空き地に勢揃いしている仲間の群れに加わりました。ベラトリックスだけが残っていました。

ベラトリックスはその場に残りヴォルデモートのそばにひざまずいていました。ハリーはまた目を閉じると今見た光景を考えました。ここでハリーは「どうやらヴォルデモートは倒れていたらしい」と初めて気がつきました。

死喰い人たちがその周りに集まっていた。自分を「死の呪文」で撃った時に何かが起こったらしいとハリーは思いました。ヴォルデモートも気を失ったのだろうか?どうもそのようだとハリーは結論を出したというわけです。

すると2人とも短い時間失神して今戻って来た。ハリーがこんな事を考えている内にベラトリックスが「我が君どうか私めに」と言いヴォルデモートはそれに「俺様に手助けは要らぬ」と冷たく応えたというわけなんですよね。

ハリーは再び目を閉じていたので見えませんでしたがベラトリックスが差し出した手を引っ込める様子が想像できました。そしてやっと「死の呪文」を放ったハリーに気持ちが向いたようでヴォルデモートはこう言いました。

「あいつは・・・死んだか?」

空き地は完全に静まり返っていました。誰もハリーに近づこうとはしません。しかし全員の目が注がれるのを感じハリーはその力でますます強く地面に押しつけられるような気がしました。指1本又は一方の瞼が動くのでは?

ハリーはそう恐れました。すると「お前」というヴォルデモートの声と共にバーンという音がして痛そうな小さい悲鳴が聞こえました。ヴォルデモートはその「お前」と呼んだ人物に向かってこう言ったというわけですよね。

「あいつを調べろ。死んでいるかどうか俺様に知らせるのだ」

誰が検死に来るのかハリーには分りませんでした。持ち主の意に逆らい激しく脈打つ心臓を抱えてその場に横たわったままハリーは調べられるのを待ちました。しかしその一方でハリーは僅かではありましたが安堵しました。

それはヴォルデモートが全てが計画通りには運ばなかった事を疑い用心して自分に近づかないのだと気づいたからです。思ったより柔らかい両手がハリーの顔に触れ片方の瞼をめくり上げそろそろとシャツの中に入りました。

そして胸に下って心臓の鼓動を探りました。ハリーは女性の早い息遣いを聞き長い髪が顔をくすぐるのを感じました。女性はハリーの胸板を打つしっかりとした生命の鼓動を感じ取ったはずです。ところがだったんですよね。

「ドラコは生きていますか?城にいるのですか?」

何と女性はハリーに向かってこう話しかけて来ました。ほとんど聞き取れないほどの微かな声でした。女性は唇をハリーの耳につくほど近づけて覆いかぶさるようにしてその長い髪でハリーの顔を見物人から隠していました。

ハリーが「ええ」と囁き返すと胸に置かれた手が力強く縮みハリーはその爪が肌に突き刺さるのを感じました。その手が引っ込められて女性は体を起こしました。そしてナルシッサ・マルフォイがこう叫んだというわけです。

「死んでいます!」

3-3.闇の帝王についた嘘
ナルシッサ夫人が見守る人々に向かってハリーは死んでいると高らかに宣言すると今度こそ歓声が上がりました。死喰い人たちは勝利の叫びを上げ足を踏み鳴らし赤や銀色の祝いの閃光を一斉に空に打ち上げたというわけです。

ハリーも閉じた瞼を通してそれを感じました。地面に倒れて死んだふりをしながらハリーは事態を理解しました。ナルシッサ夫人は息子ドラコを探すには勝利軍としてホグワーツ城に入るしかないという事を知っていたのです。

ナルシッサ夫人にとっては息子ドラコを探す事が最優先でヴォルデモートが勝とうが負けようがそんな事はどうでもいい事だったのです。そして当然ナルシッサ夫人は嘘を見抜かれないよう閉心術を使っていたんでしょうね。

「判ったか?ハリー・ポッターは俺様の手にかかって死んだ。もはや生ある者で俺様を脅かす者は1人もいない!よく見るのだ!クルーシオ!苦しめ!」

ヴォルデモートは歓声を凌ぐ甲高い声でこう叫びハリーに「磔の呪い」をかけました。ハリーはこうなる事を予想していました。自分の屍が汚される事なく森の地面に横たわったままでいられるはずがないと思っていました。

ヴォルデモートが勝利を証明するために死体に屈辱を与えずにはおかないはずだ。ハリーの体は宙に持ち上げられました。だらりとした様子を保つのに当たりハリーはありったけの意志の力が必要だったというわけですよね。

しかし予想していたような痛みはありませんでした。一度二度三度と空中に放り上げられて眼鏡は吹き飛び杖がローブの下で少しずれるのを感じながらもハリーはぐったりと生気のない状態を維持したままでいたんですよね。

最後にもう一度地面に落下するハリーを見て空き地全体に嘲りと甲高い笑い声が響き渡りました。ヴォルデモートは「さあ城へ行くのだ。そして奴らの英雄がどんなざまになったかを見せつけてやるのだ」と言ったのでした。

「貴様が運ぶのだ。貴様の腕の中なら嫌でもよく見えるというものだ。そうではないか?ハグリッド貴様の可愛い友人を拾え。眼鏡もだ-眼鏡も掛けさせろ-奴だと判るようにな」

誰かがわざと乱暴に眼鏡をハリーの顔に戻しました。乱暴はともかくご丁寧にも眼鏡を戻してくれたのはハリーにとっては有難い事でした。次にハリーが行動を起こす際には眼鏡がないととっても不便な事になりますからね。

しかしハリーを持ち上げた巨大な両手は限りなく優しかったのでした。両腕であやすように抱かれたハリーの上に夥しい量の大粒の涙が落ちて来ました。そんなハグリッドに実は生きていると仄めかす事など到底できません。

ハリーは身動きもせず言葉も発しませんでした。そしてヴォルデモートが「行け」と言ってホグワーツ城への行進が始まったのでした。

今日の最後に
ハリーが死んだ事を確かめるためにヴォルデモートが検死役に指名したのはナルシッサ・マルフォイでした。今にして思えばヴォルデモートがナルシッサ夫人を選んだのはホグワーツの戦いに参戦しなかったからでしょうね。

それと言うのもハリーが「マルフォイの館」を脱出する際にドラコ・マルフォイの杖を奪って行ってしまったためナルシッサ夫人は自分の杖を息子ドラコに貸して杖なしになってしまいました。夫ルシウス氏も杖なしでした。

ヴォルデモートも戦いに参加しなかったのだからこれぐらいはやって貰わねばと思ったのかもしれません。そしてナルシッサ夫人はハリーが生きていたのに「死んでいます!」と嘘をつきハリーはその気持ちを理解しました。

息子ドラコを探すためには勝利軍としてホグワーツ城に入らなくてはならない。そして前述のようにナルシッサ夫人は闇の帝王に嘘を見抜かれないように「閉心術」を使いヴォルデモートに対して心を閉じたというわけです。

ハリーは死んだドビーへの追悼の気持ちが心を閉じさせてついにようやく「閉心術」を完璧に自分のものにしました。一方ナルシッサ夫人は息子ドラコを思う気持ちが完全に心を閉じさせる力になったんだと私は思いますね。

息子ドラコを思う気持ちが完全に心を閉じさせたが故にヴォルデモートはナルシッサ夫人の嘘を見抜けなかったのです。

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