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それはハリーたちが3年生の学期末試験最終日の夜で6月2日の事でした。事はハリーたち3人がヒッポグリフのバックビークの処刑を目前にしたハグリッドの小屋を訪ねて城へと戻る途中で起きました。黒い犬がロンを連れ去りハリーとハーマイオニーが黒い犬を追って行くと・・・(全3項目)

3-1.まずはシリウスが
事は6月2日学期末試験最終日の夜に起きました。ヒッポグリフのバックビークの処刑が決まりハリーたち3人はハグリッドの小屋に行きました。バックビークが処刑されるのにハグリッドを1人にしておけないと思ったからです。

しかしハグリッドはハリーたちには見せたくない。それにハリーが許可も貰わずに城の外にいるのをダンブルドア校長や魔法大臣コーネリウス・ファッジに見られたら厄介な事になると言って3人を裏口から城に戻らせました。

こうしてハリーたちは城に戻り始めましたが手間取りました。ハグリッドの小屋で見つかったロンのペットのスキャバーズが大暴れしていたからです。スキャバーズは逃げようとして必死の抵抗を見せていたというわけです。

そこに現れたのがハーマイオニーのペットで猫のクルックシャンクスと巨大な黒い犬です。黒い犬はロンを連れ去りハリーとハーマイオニーは後を追おうとしましたが行く手に立ち塞がったのが「暴れ柳」だったんですよね。

ところがクルックシャンクスが素早く前に出て両方の前脚を木の節の1つに乗せると「暴れ柳」はまるで大理石になったかのようにピタリとその動きを止めました。ハリーとハーマイオニーは黒い犬を追って急ぎに急ぎました。

到着した所は何と「叫びの屋敷」でした。頭上で軋む音がして何かが上の階で動いた事を示しハリーとハーマイオニーは天井を見上げました。2人は隣のホールに忍び込み崩れ落ちそうな階段を上がって2階にやって来ました。

開いている扉が1つだけあってハリーが蹴り開けるとそこにロンがいました。ところが黒い犬は「動物もどき」だったのです。ロンはハリーの肩越しに背後を見詰めました。ハリーが振り向くと男が扉をぴしゃりと閉めました。

「エクスペリアームス!武器よ去れ!」

シリウス・ブラックはロンの杖をハリーとハーマイオニーに向けるとこう唱えました。2人の杖が手から飛び出し高々と宙を飛んでシリウス・ブラックの手に収まりました。シリウス・ブラックはハリーにこう言ったのでした。

「君なら友を助けに来ると思った。君の父親も私のためにそうしたに違いない。君は勇敢だ。先生の助けを求めなかった。有り難い。そのほうがずっと事は楽だ」

3-2.今度はルーピン先生が
父親についてのその言葉がハリーの耳にはまるでシリウス・ブラックが大声で叫んだかのように鳴り響きました。ハリーの胸は憎しみで煮えくり返りました。恐れの欠片が入り込む余地はありませんでした。杖を取り戻したい。

ハリーは生まれて初めて身を守るためにではなく攻撃のために杖が欲しいとそう思いました。我を忘れてハリーが身を乗り出すと突然ハリーの両脇で何かが動き二組の手がハリーを掴んで引き戻したというわけなんですよね。

魔法を忘れ果て自分が瘠せて背の低い13才である事も忘れ果て相手のシリウス・ブラックが背の高い大人の男である事もハリーは忘れ果てていました。できるだけ酷く傷つけてやりたい。返り討ちでどんなに傷ついてもいい。

ハリーがそんな愚かな行為に出たのがショックだったのかシリウス・ブラックは杖を上げ遅らせてしまいました。ハリーは片手でシリウス・ブラックの手首を掴むと捻って杖先を逸らせてもう一方の手で横顔を殴りつけました。

ロンとハーマイオニーも加勢してハリーは自分の杖を取り戻しました。シリウス・ブラックは壁の下のほうで伸びていました。痩せた胸を激しく波打たせてシリウス・ブラックはハリーがゆっくりと近づくのを見ていました。

ハリーは杖をまっすぐシリウス・ブラックの心臓に向けていました。自分を殺害するのかと訊くシリウス・ブラックに近づきハリーはシリウス・ブラックに馬乗りになるような位置で止まりました。杖は胸に向けたままです。

ハリーはシリウス・ブラックを見下ろしました。ハリーは怒りで少し声を震わせつつシリウス・ブラックにお前は自分の両親を殺害したと言いました。しかしハリーの怒りの気持ちとは裏腹に杖腕は微動だにしませんでした。

こうしてハリーがシリウス・ブラックを殺害しようとしてもたもたしていると新しい物音が聞こえて来ました。床にこだまをするくぐもった足音でした。誰かが階下で動いています。ハーマイオニーが突然こう叫びました。

「ここよ!私たち上にいるわ。シリウス・ブラックよ。早く!」

シリウス・ブラックは驚いて身動きをして上に乗っていたクルックシャンクスは振り落とされそうになりました。ハリーは発作的に杖を握り締めて頭の中で「やるんだ今!」と声がしましたがハリーは行動には出ませんでした。

赤い火花が飛び散り扉が勢いよく開きました。ハリーが振り向くと蒼白な顔で杖を構えてルーピン先生が飛び込んで来る所でした。ルーピン先生はその場の状況を確かめるようにして各人を見回した後こう叫んだんですよね。

「エクスペリアームス!武器よ去れ!」

ハリーの杖がまたしても手を離れて飛びハーマイオニーが持っていた2本の杖も飛びました。ルーピン先生は3本とも器用に捕まえてシリウス・ブラックを見据えたまま部屋の中に入って来ました。ところがだったんですよね。

「シリウスあいつはどこだ?」

ルーピン先生は緊張した声でこう言いました。ハリーはルーピン先生が何を言っているのかが理解できませんでした。誰の事を話しているのだろう?そう思ってハリーは再びシリウス・ブラックのほうを見たというわけです。

3-3.ハリーにロンとハーマイオニーが
ルーピン先生に「あいつはどこだ?」と問われてシリウスは無表情でした。数秒間シリウスは全く動きませんでした。それからゆっくりと手を上げロンをまっすぐ指しました。指されたロンのほうも当惑しているようでした。

「しかしそれなら。何故今まで正体を現さなかったんだ?もしかしたら」

こう言うとルーピン先生は急に目を見開きました。そしてシリウスにこう訊いたというわけです。ルーピン先生に問われシリウスは落ち窪んだ眼差しでルーピン先生を見詰め続けながらゆっくりと頷いたというわけですよね。

「もしかしたらあいつがそうだったのか。もしかしたら君はあいつと入れ替わりになったのか。私に何も言わずに?」

ルーピン先生が構えた杖を下しシリウスの手を取って助け起こして抱き締めたためハリーのみならずハーマイオニーまでもが「何て事なの!」と叫んで指差し激怒する事態へと発展しました。それだけではありませんでした。

怒りのあまりハーマイオニーはルーピン先生は狼人間だと暴露してしまいました。手助けをしていなかったと言うならシリウスが「叫びの屋敷」にいると何故判ったのかというハリーの問いにルーピン先生はこう答えました。

「地図だよ。忍びの地図だ。事務所で地図を調べていたんだ」

ハリーたち3人が驚く事はそれだけではありませんでした。ロンのペットでネズミのスキャバーズは未登録の「動物もどき」だったのです。さらにハリーのお父さんもまたそうだった。それはルーピンが狼人間だったからです。

人間だと一緒にいられない。だから動物としてルーピンと付き合ったんだそうです。ところがルーピンが3人が未登録の「動物もどき」になった経緯を話し終えた時でした。スネイプが「その通り」と言って姿を現したのです。

ハリーが「暴れ柳」の根元に置いて行った「透明マント」をスネイプは使ったのです。シリウスとスネイプの顔に浮かんだ憎しみは甲乙つけ難い激しさでスネイプの目にはハリーが今まで見た事のない狂気の光がありました。

もはや理性を失っています。ハーマイオニーも一歩踏み出し恐々と「この人たちの言い分を聞いてあげても害はないのではありませんか?」と言ってもハリーが扉の前に立ち塞がって行く手を阻むと「どけ」と言う始末です。

「エクスペリアームス!武器よ去れ!」

ハリーは瞬時に意を決して杖を構えるとこう叫びました。ところが叫んだのはハリーだけではありませんでした。ロンとハーマイオニーもハリーと全く同時に「武装解除の術」を叫んでいてスネイプは3倍もの呪文を浴びました。

スネイプは足元から吹き飛んで壁に衝突し床へと滑り落ちました。髪の下からは血が流れて来てスネイプは気を失いました。スネイプの杖は高々と舞い上がってベッドの上に落ちたのでした。果たしてやって良かったのか?

やってしまってからハリーは自信を持てない自分に気づいたというわけなんですよね。ハーマイオニーも先生を攻撃してしまって物凄い規則破りになると言っていたのでした。

今日の最後に
この場面では何といずれも「叫びの屋敷」で三度に渡って「武装解除の術」が使われました。そして武器つまり杖を奪った人の全てが違うという展開になっていますよね。最初に使用したのはシリウスだったというわけです。

杖を奪われたのはハリーとハーマイオニーの2人でした。次にこの魔法を使ったのはリーマス・ルーピンでハリーとハーマイオニーから3本の杖を奪いました。ハーマイオニーがロンの分と自分の2本の杖を持っていたからです。

最後の三度目にこの魔法を使ったのはハリーにロンとハーマイオニーの3人で杖を奪われたのはスネイプでした。スネイプは3倍もの呪文を浴びて足元から吹き飛び壁に衝突して床へと滑り落ちて頭に負傷してしまいましたね。

スネイプが吹き飛び壁に衝突して負傷してしまったという事でハリーもやってしまってから自信が持てなくなりハーマイオニーもまた先生を攻撃してしまい物凄い規則破りになると言ってハリーと同じ気持ちだったようです。

最後の「武装解除の術」はそれほどまでの凄まじさで迫力十分だったというわけなんですよね。
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