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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

ハリーが久方ぶりに訪れたダイアゴン横丁はヴォルデモートの復活が公になった事を受けて様変わりしていました。例のフローリアン・フォーテスキューのアイスクリーム・パーラーも窓に板が打ちつけてあり当然営業していません。そんな中アーサー氏が意外な提案をして来ました。(全3項目)

3-1.久方ぶりのダイアゴン横丁
ハリーが久方ぶりにダイアゴン横丁に行くその日はどんよりと曇った陰気な日でした。実はハリーがダイアゴン横丁に行くのは3年ぶりの事でした。昨年と一昨年はウィーズリーおばさんが教科書を買って来てくれたのでした。

「パパがまたこんなのに乗れるようにしてくれてよかったなあ」

マントを引っかけながら家を出ると以前に一度乗った事のある魔法省の特別車が一台前の庭で一同を待っていてロンが車の中で悠々と手足を伸ばしながらこう感謝しました。ビルとフラーは台所の窓から手を振っていました。

ビルとフラーに見送られ車は滑るように「隠れ穴」を離れました。ロンにハリーとハーマイオニーにジニーの4人が広い後部座席にゆったりと心地よく座りました。アーサー氏が振り返るとロンに向かってこう言ったのでした。

「慣れっこになってはいけないよ。これはただハリーのためなんだから」

ウィーズリー夫妻は前の助手席に魔法省の運転手と共に座っていました。そこは必要に応じちゃんと2人掛けのソファーのような形に引き伸ばされていました。一同が魔法省の車に乗れた理由をアーサー氏はこう説明しました。

「ハリーは第一級セキュリティの資格が与えられている。それに漏れ鍋でも追加の警護員が待っている」

ハリーは何も言いませんでしたが闇祓いの大部隊に囲まれて買い物をするのは気が進みませんでした。バックパックには「透明マント」を詰め込んで来ていましたしダンブルドアがそれで十分だとそう考えていたからでした。

だからハリーは魔法省にもそれで十分なはずと思いました。ただし改めて考えてみると魔法省がハリーの「透明マント」の事を知っているかどうかは定かではありませんでした。そんな事を考えている内に到着したようです。

「さあ着きました」

3-2.ダイアゴン横丁に足を踏み入れると
驚くほど短時間しか経っていませんでしたが「さあ着きました」が運転手の発した初めての言葉でした。車はチャリング・クロス通りで速度を落とし「漏れ鍋」の前で停まりました。到着すると運転手はこう言ったのでした。

「ここで皆さんを待ちます。だいたいどのくらいかかりますか?」

アーサー氏が「1~2時間だろう」と答えその後に「ああ良かった。もう来ている!」と言いました。例の追加の警護員が来ていたのです。アーサー氏を真似て車の窓から外を覗いたハリーは心臓が小躍りしたというわけです。

パブ「漏れ鍋」の外に待っていたのは闇祓いの大部隊ではなくて巨大な黒鬚でホグワーツの森番のルビウス・ハグリッドその人でした。長いビーバー皮のコートを着てハリーを見つけるとにっこりと笑いかけて来たのでした。

通りすがりのマグルたちがびっくり仰天して見詰めるのもお構いなしでした。ハグリッドは「ハリー!」と大音声で呼びかけハリーが車から降りた途端に骨も砕けそうなほどに抱き締めてハリーにこう言ったというわけです。

「バックビーク-いやウィザウィングズだ-ハリーあいつの喜びようをお前さんに見せてやりてえ。また戸外に出られてあいつはうれしくてしょうがねえんだ」

ハリーは肋骨をさすりながらニヤッとして「警護員がハグリッドの事だって僕たち知らなかった!」と言いました。そんなハリーにハグリッドは「ウンウン。まるで昔に戻ったみてえじゃねーか?」とそう言葉を返しました。

何でも魔法省は闇祓いをごっそりと送り込もうとしたんだそうです。しかしダンブルドアがハグリッド1人で大丈夫だと言ったのだそうです。ハグリッドは両手の親指を胸ポケットに突っ込んで誇らしげに胸を張ったのでした。

ハグリッドは「そんじゃ行こうか」と言うとウィーズリー夫妻に「どうぞお先に」と言って「漏れ鍋」に先に入るよう促しました。その「漏れ鍋」はハリーの知る限りでは初めてでものの見事に空っぽだったというわけです。

昔はあれほど混んでいたというのに歯抜けで萎びた亭主のトムしかいません。一同が中に入るとトムは期待顔で見ましたがトムが口を開くその前にハグリッドがもったいぶってトムに向かってこう言ったというわけですよね。

「今日は通り抜けるだけだがトム判ってくれ。何せホグワーツの仕事だ」

トムは陰気に頷いてまたグラスを磨き始めました。ハリーにハーマイオニーとハグリッドとウィーズリー一家はパブを通り抜けて肌寒い小さな裏庭へと出ました。壁のレンガを杖入りの傘でハグリッドが軽く叩いたのでした。

たちまち壁がアーチ型に開きその向こうには曲がりくねった石畳の道が延びていました。一行は入口をくぐると立ち止まってあたりを見回しました。何故ならダイアゴン横丁は様変わりしていたからというわけなんですよね。

キラキラと色鮮やかに飾りつけられたショーウィンドウの呪文の本も魔法薬の材料も大鍋もその上に貼られた魔法省の大ポスターに覆い隠されて見えません。くすんだ紫色のポスターは魔法省パンフレットを拡大した物です。

そこに書かれていた保安上の注意事項を拡大した物というわけです。他にまだ捕まっていない死喰い人の動くモノクロ写真もありました。一番近くの薬問屋の店先にはベラトリックス・レストレンジがニヤニヤ笑っています。

窓に板が打ちつけられている店もあってフローリアン・フォーテスキューのアイスクリーム・パーラーもその1つでした。その一方で通り一帯ににはみすぼらしい屋台があちらこちらに出現をしていたというわけなんですよね。

一番近い屋台はフローリシュ・アンド・ブロッツ書店の前に設置されていて染みだらけの縞の日除けをかけた店の前には段ボールの看板が留めてあって「護符。狼人間・吸魂鬼・亡者に有効」と書かれていました。

3-3.アーサー氏の提案
怪しげな風体の小柄な魔法使いがチェーンに銀の符牒をつけた物を腕一杯抱えて通行人に向かってジャラジャラと鳴らしてハリーたち一行が通りかかると売り子はジニーを横目で見ながらおばさんにこう呼びかけて来ました。

「奥さん。お譲ちゃんにお1ついかが?お譲ちゃんの可愛い首を護りませんか?」

アーサー氏は護符売りを怒ったように睨みつけながら「私が仕事中なら」と口走りました。しかしおばさんは落ち着かない様子で買い物リストを調べながら夫のアーサー氏にこのように言って諌めたというわけなんですよね。

「そうね。でも今は誰も逮捕したりなさらないで。急いでいるんですから」

それからおばさんは「マダム・マルキンのお店に最初に行ったほうがいいわ」と言いました。ハーマイオニーは新しいドレスローブを買いたいしロンは学校用のローブから踝が丸見えだからなのだそうです。ハリーもでした。

この夏ハリーはとても背が伸びたからです。するとアーサー氏が自分の妻つまりはおばさんに「全員がマダム・マルキンの店に行くのはあまり意味がない」と言い出しました。行くのはハリーたち3人だけでいいと言うのです。

「その3人はハグリッドと一緒に行って我々はフローリシュ・アンド・ブロッツでみんなの教科書を買ってはどうかね?」

夫のアーサー氏がこう言いおばさんは不安そうに「さあどうかしら」と言いました。買い物を早く済ませたい気持ちと一塊になっていたいという気持ちの間で迷っているのがおばさんは明らかだったというわけなんですよね。

今日の最後に
ハリーは3年生の時にはロンとハーマイオニーが2人とも海外に行っていたという事情もあって夏休みの後半を当時の魔法大臣コーネリウス・ファッジの提案でダイアゴン横丁の「漏れ鍋」に滞在して過ごしたというわけです。

今回ハリーがダイアゴン横丁を訪れるのはそれ以来で3年ぶりという事になります。4年生と5年生の時はウィーズリーおばさんがダイアゴン横丁に行き教科書などの必要な物を買って来てくれたのでハリーは行きませんでした。

そんな中アーサー氏が買い物を早く済ませるために意外な提案をして来ました。ハリーにロンとハーマイオニーはハグリッドと一緒にマダム・マルキンの店に行き素早く買い物を済ませるため二班に分かれるという提案です。

残ったウィーズリー夫妻とジニーがフローリシュ・アンド・ブロッツ書店に行って教科書を買って来れば素早く買い物が済ませられる。これはアーサー氏のハリーたち3人を書店に行かせないための作戦だと私は思いますね。

ウィーズリー夫妻はダンブルドアにホラス・スラグホーンがかつて「魔法薬学」の教師だった事をハリーの耳に入れないようにと言われていました。フローリシュ・アンド・ブロッツ書店にハリーたちは行かないほうがいい。

アーサー氏はそう判断したのです。フローリシュ・アンド・ブロッツ書店に行けば誰かが口にしている可能性があるからです。何せ教科書を扱っている店ですからね。

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