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昨日でようやく長かった「不死鳥の騎士団」編が終わったので本日は巻ごとに行なっている恒例の総括をすることにします。第5巻は「人種差別問題」を筆頭に様々な問題が色濃く滲み出た政治色の強い内容となっていました。そこで今日は「そのあたり」にスポットをあてて分析してみたいと思います。(全4項目)

4-1.ようやく「不死鳥の騎士団」編を終えて
と!いうわけでついについに「不死鳥の騎士団」編が終わってしまいました。正直言って一抹の淋しさを覚えずにはいられません。理由は幾つかあるんですが・・・

まず1つ目にはこれで6巻中5巻が終わって残すところ「謎のプリンス」編1つのみとなってしまったということが挙げられるでしょうね。

2つ目には記事中で再三言っていますが「第5巻」は一番思い入れの強い巻で気に入っている章やページが沢山あったからですね。

3つ目には私の好きなリーマス・ルーピンが再登場することやニンファドール・トンクスやルーナ・ラブグッドなど魅力的で個性溢れる人物が多数登場するからというのも理由の1つに挙げられるでしょうね。

4-2.大本営発表にプロパガンダ
第5巻では「日刊予言者新聞」が魔法省の言いなりになってヴォルデモートの復活を報道しなかったばかりかハリーとダンブルドアを誹謗中傷する記事を掲載して2人を窮地に追いやりました。

つまりは「予言者新聞」は1年間魔法省の思惑を反映した報道をしたわけで、まさにこの行為はプロパガンダそのものと云っていいでしょうね。

報道機関が「時の政権」の言いなりになると、その国の国民にとっていかに恐ろしいことになるのかということは歴史がそれを証明しています。

日本における「それ」と云えば何といっても「大本営発表」でしょうね。日本の戦況が不利になると事実とはかけ離れた報道が公然と行なわれていました。

国民の戦意向上の名の元に日本に不利な情報は報道しないといったことも行なわれていました。例えば太平洋戦争末期に起きた東南海地震がそうでした。

昭和19年(1944年)12月7日午後1時35分ごろに熊野灘沖を震源地に起きた地震で地震の規模を示すマグネチュードは8.0でした。

愛知・静岡・三重の東海地方沿岸部での被害が特にひどく名古屋の重工業地帯の被害は極めて大きかったので軍需産業ひいては戦力にも大きな影響を及ぼしたとのことです。

しかし当然日本にとっては極めて不利な情報だったので日本ではほとんど報道されなかったのですがアメリカの新聞には掲載されたのだそうです。

そのためアメリカ国民が日本で地震が起きたことを知っていたのに当の日本人の大部分が「この地震」が起きたことを知らなかったという事態になってしまいました。

そもそも日本政府が地震のニュースを報道させなかったのはアメリカに地震が起きたことを知られないためだったのですから、これでは本末転倒もいいところですよね。

魔法界でもヴォルデモートが復活したというのに「日刊予言者新聞」がそのことを報道しなかったがために大多数の人たちが「そのこと」を知らないという状態が1年近く続く結果となってしまいました。

4-3.人種差別とハリーポッター・シリーズ
公式サイトのFAQのコーナーで~魔法世界の人々の中に(たとえばハリーのように)両親が魔法使いと魔女なのに「混血」と呼ぶ人がいるのはなぜですか?~という問いにローリングさんは下記のように答えています。

「純血」と「混血」と「マグル生まれ」という言葉はそうした区別を重視する人々だけが使うもので、その発言者の偏見を反映しています。

たとえばルシウス・マルフォイのような人にとっては、マグル生まれはマグルと同じくらい「悪い」ものです。だからハリーも母親の祖父母がマグルなので「混血」の魔法使いと見られることになります。

これをやりすぎと思うならナチスが「アーリア人」と「ユダヤ人」を区別するのに使った家系図を見てみるといいでしょう。

実際に使われた家系図をワシントンのホロコースト博物館で見たとき、わたしはもう「純血」と「ハーフ」と「マグル生まれ」の区別を考えていましたが・・・

ナチスがこれとまったく同じ死喰い人のねじくれた論理を使っていたのを知ってぞっとしました。ナチスの宣伝では祖父母のひとりがユダヤ人だというだけでその血統は「汚染されて」しまうのです。(原文そのまま)

ナチスとヒトラーによって行なわれたユダヤ人に対する差別と迫害はあまりにも有名ですがハリーポッター・シリーズで描かれている「人種差別」もそれを色濃く反映しているということなんですね。

とかく人間というものは「我が民族こそが世界で最も優秀なんだ!」と思いたいようです。また「我が国の常識は世界の常識」などと思っていて自国の価値観を無理やり他国に押し付けようとする国もありますよね。

ヒトラーとナチスがドイツ国民に受け入れられたのも「アーリア人至上主義」が支持されたからです。ヒトラーはアーリア人は優秀でユダヤ人は劣等民族であると堂々と主張して政権トップの座に就いたのです。

そして掲げた公約を実行するために力ずくで排除するという行為が、やがては迫害から大量虐殺へとエスカレートしていってしまったというわけですね。

騎士団上巻184ページでのシリウスのヴォルデモートの考え方が正しいとずいぶん多くの魔法使いが思っていたという発言に「それ」が反映されていると云えるでしょうね。

4-4.改めて「ドローレス・アンブリッジ」について
そんなわけで第5巻の最大のテーマ「人種差別」を凝縮して作られたキャラクターが「ドローレス・アンブリッジ」その人というわけです。

明らかにバリバリの狂信的な純血主義者で純血の人間こそが最も優秀でハーフは劣っているという先入観に満ち満ちています。

ハーフの人たちに対しては最初から色眼鏡をかけて見ているので公正中立な判断を「この人」に求めるのは最初から無理というモノです。

その一方で高等尋問官として各先生にどのような態度で接したかで先生方の血筋を判断することができます。代表的な2人をここで挙げてみます。

グラブリー・プランク先生の場合
騎士団上巻507ページでアンブリッジはグラブリー・プランク先生に臨時の教員としてあなたは客観的な部外者と言えるので率直な意見を聞かせて欲しいと言っています。

さらに今後の授業日程などを訊いた後「あなたは物がわかっているようね」と言ってクリップボードに合格とわかる丸印をつけています。

アンブリッジの「この態度」からグラブリー・プランク先生が「純血」の魔女であることは疑いようがないでしょうね。

スネイプ先生の場合
騎士団上巻571ページでアンブリッジはスネイプ先生に対して強化薬のような薬を教えるのはいかがなものかしら魔法省は「この薬」を教材から外したほうが良いと考えると思うと否定的な見解を述べています。

第6巻でセブルス・スネイプは父親のトビアス・スネイプがマグルだったことが明らかになっています。アンブリッジのこうした「否定的な発言」は・・・

スネイプが純血の魔法使いではないことから来ているのは明らかでしょうね。

本日の最後に
今回改めて「このシリーズ」を書くために第5巻を読んで感じたのは「やっぱり第5巻は内容が濃い!」ということでしたね。

第8章と第27章については記事1件には収まり切らないということで2件に分けましたが他にも2件に分けたい章は沢山ありましたし、やり残した所もありました。

やり残した部分については、また形を変えて記事にしたいと思っています。と!いうわけで次回からは「謎のプリンス」編に入ります。
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