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ダンブルドアにかけられた「金縛りの術」が解けた時からハリーはもう望みがないことを知っていました。心の準備はできていませんでしたが、ハリーは途方もない理解を超えた真実を呑み込もうと努力しました。ダンブルドアは・・・ダンブルドアは!(全4項目)

4-1.追うハリー!逃げるスネイプ!
本当のことじゃない・・・本当のことであるはずがない

目の前で起きたことが信じられず必死に打ち消そうとしていたハリーでしたが、一方事を終えたスネイプは「ここから出るのだ。早く」と言うとマルフォイの襟首をつかみ最初に扉から押し出しました。

次の瞬間ハリーはもう体が動かせることに気づきました。麻痺したまま防壁に寄り掛かっていたのは魔法のせいではなく恐怖とショックのせいでした。

残忍な顔の死喰い人が最後に塔の屋上から扉の向こうに消えようとした瞬間ハリーは「透明マント」をかなぐり捨てました。

「ペトリフィカス トタルス!石になれ!」

恐怖がハリーの心臓を引き裂いていました。スネイプを捕らえてダンブルドアのところに連れて行けば起こってしまったことを覆せるかもしれないという思いがハリーを支えていました。

途中狼男のフェンリール・グレイバックに襲われたりネビル、ジニー、マクゴナガル先生、ルーピン、トンクスが死喰い人と戦っている現場に遭遇したりしましたが・・・

ハリーは背後の乱闘の音を無視して廊下を疾走しました。戻れと叫ぶ声にも耳を貸さず床に倒れたまま生死も分らない人々の無言の呼びかけにも応えず・・・

ハリーはひたすら必死にスネイプを追ったのでした。

4-2.プリンスの正体が明らかに・・・
校門の一歩手前でハリーはようやくスネイプに追いつきました。「ドラコ、走るんだ!」と叫ぶスネイプ!そしてスネイプが振り向きました。

20メートルの間を挟み睨み合うハリーとスネイプ!同時に杖を構え対峙する2人でしたがスネイプはハリーが発する呪いをことごとく「いとも簡単」に逸らしてしまうのでした。

「また防(ふせ)がれたな。ポッター、おまえが口を閉じ、心を閉じることを学ばぬうちは、何度やっても同じことだ」

スネイプはまたしても呪文を逸らせながら冷笑しました。しかし!ハリーが「セクタムセンプラ」の呪文を唱えようとした「その時」スネイプの顔には冷笑も嘲笑もなく怒りの表情だけが見えたのでした。

「やめろ、ポッター!」スネイプが叫びました。

ハリーは地面に叩きつけられ杖が手を離れて飛んで行きました。スネイプが近づいて来てダンブルドアと同様に杖もなく丸腰で横たわっているハリーを見下ろしました。

そしてスネイプは「我輩の呪文を本人に対してかけるとは、どういう神経だ?」と「半純血のプリンス」が実は自分であったことを明らかにしたのでした。

ハリーは自分の杖に飛びつきましたがスネイプの発した呪いで吹っ飛び暗闇の中に見えなくなってしまいました。

「それなら殺せ!」

「先生を殺したように、僕も殺せ、この臆病・・・」

「我輩を・・・」「・・・臆病者と呼ぶな!」

スネイプが空を切りハリーは再び仰向けに地面に叩きつけられました。衝撃でクラクラしながらハリーが上半身を起こすとスネイプがバックビークから必死に逃げて行くのが見えました。

ハリーはやっとのことで立ち上がりフラフラしながら杖を探しました。追跡を続けたかったのですが杖がないのでは話になりません。

ハリーが思った通り杖を見つけて振り返った時にはヒッポグリフが校門の上で飛んでいるのが見えただけでした。スネイプは既に「姿くらまし」をして逃げ遂せていました。

4-3.ハグリッドの嘆き
もつれる足で燃えているハグリッドの小屋のほうに歩いて行くと背中にファングを背負ったハグリッドが炎の中からヌッ!と現れました。

安堵の声を上げながらがっくりと膝を折るハリーにハグリッドが心配そうに「大丈夫か?」と何度も声を掛けました。

ハリーが「僕は大丈夫だ」と応えるとハグリッドはハリーの腋の下に手を入れて、ぐいと持ち上げるとハリーを立たせてくれました。

2人で小屋の火を消している時のハグリッドの「この程度ならダンブルドアが直せる」という言葉にハリーは胃に焼けるような痛みを感じました。

ハグリッドはハリーが何度も何度も繰り返し繰り返しスネイプがダンブルドアを殺したと言っても信じられないようでした。

ハリーは頭を打って混乱している。もしかしたら呪文の影響が残っているからなんだとハグリッドがそう考えているのがハリーには判ったのでした。

ハリーは反論も説明もせず天文台塔の下に向かって歩きました。やがてハグリッドの苦痛と衝撃に呻(うめ)く声が聞こえましたがハリーは立ち止まりませんでした。

ダンブルドアにかけられた「金縛りの術」が解けた時からハリーはもう望みがないことを知っていました。術者が死んだからこそ術が解けたに違いない。

心の準備はできていませんでしたがハリーは途方もない理解を超えた真実を呑み込もうと努力しました。ハリーにとって最も偉大な魔法使いの姿が「そこ」にありました。

既に長い時間が経ったような気がしましたが苦労の末にやっと2人で手に入れたロケットを拾い上げた時「何かがおかしい」と気づきました。

「憂いの篩」で見たロケットほど大きくないですし何の刻印もありません。肖像画が入っているはずの場所には羊皮紙の切れ端が折りたたんで押し込んであるだけでした。

闇の帝王へ
あなたがこれを読むころには私はとうに死んでいるでしょう。
しかし私があなたの秘密を発見したことを知ってほしいのです。
本当の分霊箱は私が盗みました。できるだけ早く破壊するつもりです。
死に直面する私が望むのは、あなたが手ごわい相手に見(まみ)えたそのときに、もう一度死ぬべき存在となることです。
R.A.B


ハリーにとって「この書付け」の重要性は1つだけでした。これは「分霊箱」ではなかったということです。ダンブルドアはムダにあの恐ろしい毒を飲み自らを弱めたのです。

4-4.この場面でのダンブルドア
●「分霊箱」はニセモノだった!
ハリーは『ニセモノの分霊箱』のためにダンブルドアが犬死したと思ったようですが当然ダンブルドアは「そんなこと」は百も承知だったんでしょうね。

ダンブルドアとハリー以外にヴォルデモート卿の「分霊箱」のことを知っているのはスラグホーンとロン、ハーマイオニーの3人しかいません。

そしてスラグホーンはハリー、ロン、ハーマイオニーの3人がヴォルデモートの「分霊箱」のことを知っているという事実を知りません!

したがって洞窟から持ち返って来た「分霊箱」が本物だったらハリー、ロン、ハーマイオニーの3人で「これ」を処理しなくてはなりません。

自分が死んで精神的ショックを受けている最中(さなか)でもヴォルデモートの「分霊箱」を壊さなくてはならないというのは3人に大きな負担を強いることになります。

だからダンブルドアは「本物の分霊箱」ではないことを承知の上でハリーを連れて出かけたのではないかな?と私は思いますね。

●覚悟の上の死だった!
ドラコ・マルフォイがついに!「姿をくらますキャビネット棚」の修理を終えて今夜学校内に死喰い人たちを招き入れるのは解っていたハズなのに・・・

ダンブルドアはハリーを連れて学校を離れ自ら進んで「毒」を飲み自分を弱らせて学校に戻って来ました。まさに最悪のタイミングです。

つまりは「わざと」スネイプに殺されるために一連の全ての行動を取ったということになりますね。ドラコが殺人者に成り得ないことも解り切っていたんでしょうね。

本日の最後に
「我輩を」「臆病者と呼ぶな!」

ハリーに「この言葉」を叫んだ時スネイプの表情は異常で非人間的な形相になったとのことですが「その時」のスネイプの心情は如何なるものだったんでしょうね。

学生時代のトラウマなのか?それとも?ダンブルドアを殺さなくてはならなかった自分の定め?筆舌に尽くしがたい思い?からだったのでしょうか。

ダンブルドアを殺せる自分が臆病者であるハズがない!という思いの叫びだったのでしょうか?

本日の記事で取り上げたのは・・・
第6巻「謎のプリンス」より第28章「プリンスの逃亡」でした。
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