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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

ここに自分がいることをジニーに知って欲しかった。ジニーに引き止めて欲しかった。無理やり連れ戻して欲しかった。しかしハリーは力を振り絞って歩き始めたのでした。そして最後の最後にダンブルドアの「あれ」が・・・(全3項目)

3-1.ジニーへの思い
ネビルと別れたハリーは「透明マント」を被り直し歩き始めました。すると遠くない所で誰かが動いているのが見えたのでした。すぐそばまで近づいて初めてハリーはそれがジニーだと気づいたのでした。

ハリーは足を止めました。ジニーは弱々しく母親を呼んでいる女の子のそばに屈んでいました。そしてその女の子を慰めて城の中に戻りましょうと説得をしているところでした。

ハリーの肌をざわざわと冷たい震えが走りました。闇に向かって大声で叫びたくなったのでした。ここに自分がいることをジニーに知って欲しかった。ジニーに引き止めて欲しかった。無理やり連れ戻して欲しかった。

しかしハリーはもう家に帰っていたのです。ホグワーツはハリーにとって初めての最高に素晴らしい家庭だったのです。ハリーばかりではありません。

ハリーのみならずヴォルデモートにとっても他の身寄りのいない少年たちにとってもホグワーツは家そのものだったのです。ハリーは力を振り絞って再び歩き始めたのでした。

ジニーは今傷ついた少女の傍らに膝をつき少女の片手を握っていました。そばを通り過ぎる時ハリーはジニーが振り返るのを見たような気がしたのでした。人の気配を感じ取ったのでしょうか?

しかし!ハリーはそんなジニーには一切声もかけず振り返りもせず「禁じられた森」へと歩を進めたのでした。

3-2.蘇りの石
ジニーの次に見えて来たのはハグリッドの小屋でした。今は明かりもなく扉を引っ掻くファングの爪の音も嬉しげに吠える声も聞こえては来ません。何度もハグリッドを訪ねたっけ。

ハリーの脳裏には数々の思い出が走馬灯のように浮かんでは消えていったのでした。ハリーはハグリッドの小屋を過ぎてさらに歩き続け、いよいよ「禁じられた森」の端にたどり着いたのでした。

そこで足がすくみました。最後の関門が待ち構えていました。吸魂鬼です。ハリーにはもはや守護霊を創り出す力など残ってはいませんでした。体の震えを止めることさえできなくなっていました。

死ぬことはやはり簡単なことではありませんでした。これ以上進むことはできないと思うと同時にハリーには進まなければならないことも判っていたのです。長いゲームが終わりスニッチは捕まり空を去る時が来たのです。

スニッチ。感覚のない指でハリーは首から掛けた巾着から『あのスニッチ』を引っ張り出したのでした。去年の17才の誕生日にダンブルドアから遺贈されたスニッチです。

私は終わる時に開く。

時間が出来得る限りゆっくり過ぎて欲しいこの時に急に時計が早回りしたかのようでした。理解するのが早過ぎて考える過程を追い越してしまったかのようでした。これが「終わる時」なのだ。今こそが「その時」なのだ!

「僕は、まもなく死ぬ」

ハリーは金色(こんじき)の金属に唇に押し当てて囁きました。すると金属の殻がぱっくりと割れました。震える手でドラコのサンザシの杖先に灯りを点すと2つに割れたスニッチの中央に「それ」はありました。

真ん中にギザギザの割れ目が走っている黒い「蘇りの石」はニワトコの杖を表す縦の線に沿って割れていましたがマントと石を表す三角形と円は何とか識別が可能でした。

そして再びハリーは頭で考えるまでもなく理解しました。間もなく自分も「その仲間」になるのだから。あの人たちを呼ぶのではなく、あの人たちが自分を呼ぶのだ。

ハリーは目を閉じて手の中で石を3度転がしました。

すると事は起こったのでした。

3-3.この場面でのダンブルドア
何ゆえダンブルドアはスニッチの中に「蘇りの石」を封印してハリーに遺贈したのか?それはハリーがヴォルデモートの所に行く時に最後の関門(吸魂鬼)を通過するためだったというわけなんですよね。

お陰でハリーは自分の両親にシリウスそして死んだばかりのルーピンとの再会を果たすことができましたし、死への恐怖を和(やわ)らげることもできたというわけです。

ハリーは特にルーピンに対しては男の子が生まれたばかりだというのに「こんなこと」になってしまい申し訳ないと謝り許しを求めたのでした。それに対してルーピンは・・・

「私も悲しい。息子を知ることができないのは残念だ」けれども「あの子は私が死んだ理由を知ってきっと判ってくれるだろう。私は息子がより幸せに暮せるような世の中を作ろうとしたのだとね」

こう言ってルーピンはハリーを慰めてくれたのでした。こうしてハリーは再び歩き出し吸魂鬼の冷たさもハリーを挫きはしなかったというわけなんですよね。

本日の最後に
「一緒にいてくれる?」

ハリーがこう言うとジェームズは「最後の最後まで」と言ってくれたのでした。ハリーは親しい人々と連れ立って一緒に「禁じられた森」の中を行進したのでした。

ヴォルデモートがどこにいるのか?全く見当はつきませんでしたが必ず見つけられるという確信がありました。やがて答えは向こうのほうからやって来ました。近くの木の陰から杖灯りを揺らして2つの影が現れたのです。

死喰い人のヤックスリーとドロホフでした。ヤックスリーは腕時計を見てドロホフに「もう時間切れだ」と言ったのでした。2人は踵を返して森の奥深くへと歩いて行きました。

2人に従いていけば自分の望む所に連れて行ってくれるはずだとハリーは2人を追いました。数分も歩かない内に行く手に明かりが見えました。そこはハリーも知っている怪物蜘蛛アラゴグのかつての棲家でした。

「わが君、あいつの気配はありません」

「透明マント」を脱ぐハリーの両手はじっとりと汗ばんでいました。ハリーはマントと杖を一緒にローブの下に収めました。戦おうという気持ちが起きないようにしたかったからです。

「どうやら俺様は・・・間違っていたようだ」
「間違っていないぞ!」

ハリーは声を張り上げました。怖気づいていると思われたくなかったからです。「蘇りの石」がハリーの感覚のない指から滑り落ちると両親もシリウスもルーピンも消え去って行きました。

「ハリー!やめろ!」
「やめろ!ダメだ!ハリー、何する気?」

ハグリッドの抗議の叫びはロウルの杖の一振りで掻き消えました。やがてヴォルデモートは小首を傾げ目の前に立つ男の子を品定めしながら唇のない口をめくり上げて極め付きの冷酷な笑いを浮かべて・・・

本日の記事で取り上げたのは・・・
第7巻「死の秘宝」より第34章「再び森へ」でした。

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