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わしは家族を愛しておった。両親を愛し弟も妹も愛していた。しかしわしは際立って無欲な君などには想像もつかぬほど利己的だったのじゃ。自分本位だったのじゃよ。(全3項目)

3-1.ダンブルドアの懺悔
ダンブルドアと知り合って以来ハリーは初めて老成したダンブルドアではない顔を見たのでした。老人どころか悪戯の最中に見つかった小さな子供のような表情を見せたのです。

●死の秘宝
「死の秘宝」をハリーが口にするとダンブルドアの顔からはすっかり笑いが消えてしまったのでした。それでハリーの腹の虫も収まったのですが一方のダンブルドアは逆に心配そうな顔になったのでした。

ダンブルドアはハリーに生前に「死の秘宝」のことを教えなかったことを許して欲しいと言ったのでした。もう随分前からハリーが自分よりまっすぐな人間だと判っていたのにと・・・

ダンブルドアはまた自分もヴォルデモートと同様に『死を克服する方法』を求めたのじゃとハリーに言ったのでした。だから結局のところヴォルデモートよりましな人間だったと言えるのだろうか?と・・・

そんなダンブルドアを慰めながらハリーはダンブルドアにあれほど様々な怒りを感じていたのに自己否定をするダンブルドアを弁護しようとしているとは何と奇妙なことなのだろうと思ったのでした。

●グリンデルバルドとの出会いにアリアナの死
この後にはダンブルドアの口から初めてグリンデルバルドとの出会いから妹アリアナが死に至るまでの経緯が語られたのでした。どのようにしてグリンデルバルドと出会ったのか?どうしてアリアナは死んでしまったのか?

ダンブルドアは深々と息を吸い込んだ後ハリーに言ったのでした。君はマグルのことも知っておる。そして妹の病弱さの秘密も知っておる。その結果わしの父が復讐を求めてアズカバンで死んだことも知っておる。

わしの母がアリアナの世話をするために自分自身の人生を捨てていたことも・・・

「わしはのう、ハリー、憤慨したのじゃ」

「わしには才能があった。優秀じゃった。わしは逃げ出したかった。輝きたかった。栄光が欲しかった」

「わしは家族を愛しておった。両親を愛し弟も妹も愛していた。しかしわしは自分本位だったのじゃよ。際立って無欲な君などには想像もつかぬほど利己的だったのじゃ」

母の死後、ダンブルドアは怒りと苦い気持ちを抱いて村に戻って来ました。籠の鳥だ。才能の浪費だ。しかし!その時「あの男」がやって来たのでした。グリンデルバルドでした。

グリンデルバルドの考えはダンブルドアを強く惹き付けました。マグルを力で従属させる。我ら魔法族が勝利する。そして自分とグリンデルバルドは革命の栄光ある若き指導者となる。

しかし!その一方で幾つかの疑念や良心の呵責も抱いたのでした。それをダンブルドアは虚しい言葉で鎮めたのでした。全ては『より大きな善のため』なのだからと・・・

多少の害を与えても魔法族にとっては百倍もの見返りがあるのだからと自分の心に言い聞かせて来たのですがダンブルドアが「僅か2人」の家族をないがしろにしたがために悲劇は起こってしまったのでした。

3-2.ニワトコの杖とグリンデルバルド
こうしてダンブルドアとグリンデルバルドの短い夏が終わって数年後にはグリンデルバルドが計り知れぬ力を持つ杖を手に入れたという噂がダンブルドアの元に届いたのでした。

一方ダンブルドアのほうは魔法大臣に就任するよう一度ならず何度も請われましたが権力を持つ自分自身は信用できないということを既に学び取っていたため決して受けようとはしなかったのでした。

そんなダンブルドアに対してハリーが先生はファッジやスクリムジョールなんかより、ずっといい大臣になっていたはずですと言うとダンブルドアは重苦しい調子で「そうじゃろうか?」と・・・

ダンブルドアは自分は若い時に権力とその誘いに弱いことを証明したと、さらに興味深いことには権力を持つのに最もふさわしい者は「それ」を一度も求めたことがない者なのだと・・・

ハリーのように「やむなく指揮を執り」そして「そうせねばならぬ」ために権威の衣を着る者は自らが驚くほど見事に「その衣」を着こなすのだと言ったのでした。

こうしてダンブルドアがホグワーツで若き魔法使いたちの教育に忙しく打ち込んでいる間にグリンデルバルドは軍隊を作り上げていました。人々はグリンデルバルドはダンブルドアを恐れていると言っていました。

しかしダンブルドアのほうは「別の意味」でグリンデルバルドと戦うことを恐れていたのです。あの最後の恐ろしい争いでアリアナに死をもたらしたのが自分の一撃だと知るのが怖かったのです。

そのためダンブルドアはグリンデルバルドと対決するのを一日延ばしにして来たのですが、これ以上先延ばしにするのは余りにも恥ずべきことだという状態になりダンブルドアは自分にできることをしなくてはなりませんでした。

こうしてダンブルドアは「ニワトコの杖」を勝ち取ったのでした。

3-3.この場面でのダンブルドア
ダンブルドアはハリーに自分は「秘宝」の中でも最も劣り一番つまらない物を所有するに値する者だったと殊更に自分を卑下したのでした。3つの秘宝を1つにすることができる人間は100万人に1人であろうと・・・

自分は「ニワトコの杖」を所有し加えてそれを吹聴せず「この杖」で人を殺さぬことに適していたとハリーに言ったのでした。自分は杖を手なずけ使いこなすことを許された。何故なら・・・

ダンブルドアは自分が「あの杖」を手にしたのは勝つためではなく他の人間を「その杖」から守るためだったからだとハリーに告げたのでした。

本日の最後に
「僕は、帰らなければならないのですね?」

今までで一番長い沈黙のあとハリーがこう言うとダンブルドアが「きみ次第じゃ」と言うのでハリーは「選べるのですか?」と少し驚いたのでした。ダンブルドアは「そうじゃとも」とハリーに微笑みかけたのでした。

ヴォルデモートは「ニワトコの杖」を持っているのに先生はそれでも僕に帰って欲しいのですねと言うとダンブルドアはハリーがもし帰ることを選ぶならヴォルデモートの息の根を完全に止める可能性はあると・・・

約束はできぬが今自分が判っているのはハリーが再び「ここ」に戻って来る時にはヴォルデモートほどに「ここ」を恐れる理由はないと言ったのでした。

最後にハリーが言いました。これは現実のことなのですか?それとも全部僕の頭の中で起こっていることなのですか?するとダンブルドアは晴れやかにハリーに笑いかけながら言ったのでした。

「もちろん君の頭の中で起こっていることじゃよ、ハリー。しかしだからと言って、それが現実ではないと言えるじゃろうか?」

本日の記事で取り上げたのは・・・
第7巻「死の秘宝」より第35章「キングズ・クロス」でした。
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