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ハリポタ通の館(やかた)

ここではハリーポッター・シリーズに関する様々な情報や私の推測(妄想?)をお届けしています。毎週、日曜・月曜・水曜・木曜更新。

「ハリー、愛じゃよ愛」「そうじゃよ、ハリー、君は愛することができる」ハリーを救ったのは「息子を思う母の愛」でした。息子の安否を心配する母の気持ちは闇の帝王に対する忠誠心(恐怖心?)をも上回ったのです。(全3項目)

3-1.母の愛
「禁じられた森」の匂いが鼻腔(びくう)を満たし頬にひやりとした固い土を感じてハリーは再びうつ伏せになって地面に倒れていました。元いた場所に帰って来たのです。

ハリーが死んだことを祝う勝利の歓声が聞こえて来ると思いきや周囲には慌ただしい足音に囁き声さらには気遣わしげに呟く声が満ちているばかりでした。最初に聞こえて来たのはベラトリックスの声でした。

「わが君・・・わが君・・・」

まるで恋人に話しかけているようでした。ハリーは目を開ける気にはなれませんでしたが全ての感覚で現状の把握をしようとしました。杖と「透明マント」はどうやらロープの下に収まっているようです。

また足音が聞こえて数人の死喰い人が同じ場所からいっせいに後退したようです。何が起きているのか?何故なのか?をどうしても知りたかったのでハリーは薄目を開けました。

ヴォルデモートが立ち上がろうとしているようでした。ハリーは再び目を閉じて今見た光景のことを考えました。どうやら「死の呪文」でハリーを撃った時に何かが起こってヴォルデモートは倒れたようでした。

「あいつは・・・死んだか?」

空き地は完全に静まり返っていました。誰もハリーに近づきません。しかし全員の目がハリーに注がれるのを感じハリーは死喰い人たちの視線でますます地面に強く押し付けられるような気がしたのでした。

「おまえ」

ヴォルデモートの声と共にバーンという音がして痛そうな小さい悲鳴が聞こえて来ました。検死役の誰かが指名されたようです。誰が来るのか?その時点ではハリーには分りませんでした。

「あいつを調べろ。死んでいるかどうか、俺様に知らせるのだ」

持ち主の意に逆らいドクドク脈打つ心臓を抱えて「その場」に横たわったままハリーは調べられるのを待ちました。思ったより柔らかい手がハリーの顔に触れ片方の瞼(まぶた)をめくり上げ・・・

そろそろとシャツの中に入って胸に下り心臓の鼓動を探りました。ハリーは女性の早い息遣いを聞き長い髪が顔をくすぐるのを感じました。その人はハリーの胸板を打つ生命(いのち)の鼓動を確かに感じ取ったはずです。

「ドラコは生きていますか?城にいるのですか?」

ほとんど聞き取れないほどの微かな声でした。女性は唇をハリーの耳につくほど近づけ覆いかぶさるようにしてハリーの顔を見物人から隠していました。ハリーがマルフォイの無事を囁き返すと・・・

胸に置かれた手がぎゅっと縮みハリーは女性の爪が肌に突き刺さるのを感じました。その手を引っ込めると女性は体を起こし見守る人々に向かって叫んだのでした。

「死んでいます!」

今度こそ歓声が上がり死喰い人たちは勝利の叫びを上げ足を踏み鳴らしたのでした。一方ハリーは地面に倒れて死んだふりをしながら事の次第を理解したのでした。

ナルシッサ・マルフォイは息子を探すためには勝利軍としてホグワーツ城に入るしかないことを知っていたのです。ナルシッサにとってはヴォルデモートが勝とうが負けようが・・・

もはやどうでもいいことだったのです。

3-2.ナギニの最期!そして・・・
「わかったか?ハリー・ポッターは俺様の手にかかって死んだ。もはや生ある者で俺様を脅かす者は1人もいない。よく見るのだ!クルーシオ!苦しめ!」

ヴォルデモートは死喰い人たちの歓声を凌ぐ甲高い声で勝利宣言をした後に長年の鬱憤を晴らすかのようにハリーの体に「磔の呪い」をかけたのでした。しかしハリーはこうなることを予想していたのでした。

自分の屍(しかばね)が汚されることもなく森の褥(しとね)に横たわったままでいられるばすはないと思っていたのです。ハリーの体は宙に持ち上げられ「1度」「2度」「3度」と空中に持ち上げられては落下させられたのでした。

引き続き死んだフリをするには容易成らざる意思が必要と考えていたハリーでしたが予想していた痛みはありませんでした。やがてハリーの死体の運搬役が指名されて思いっきり勘違いな勝利の行軍が始まったのでした。

ハグリッドの両腕が激しい啜り泣きで震えているのをハリーは感じました。その上大粒の涙をぼたぼたと落とされては実は生きていると仄めかすことなど到底できません。ハリーはなおも引き続き死んだフリをしたのでした。

勝利の行進は途中ケンタウルスとの遭遇があったものの概ね順調に進みました。やがてヴォルデモートと死喰い人一行は「禁じられた森」を出てヴォルデモートはハリーが死んだことを城に向かって宣言したのでした。

ところが!ここからヴォルデモートの誤算が始まったのでした。ロン、ハーマイオニー、ジニーの悲痛な叫びが引き金となって生存者たちが義に奮い立ち口々に死喰い人を罵倒する叫び声を上げ始めたのです。

ヴォルデモートが何度「黙らせ呪文」をかけてもハリーは1人だけ助かろうとして城の校庭から抜け出そうとしたと嘘をついてもホグワーツ防衛隊の士気は下がるどころか上がるばかりです。

やがて誰かが小走りに駆け出してヴォルデモートを攻撃しようとしたのでした。負け戦を続けようとする愚か者は誰だ!のヴォルデモートの問いにベラトリックスが答えたのでした。ネビル・ロングボトムです。

お前は純血でしかも高貴な血統の者だ。だから貴重な死喰い人になれると呼びかけるヴォルデモートに対してネビルは「だったらどうした?」とさらに「地獄の釜の火が凍ったら仲間になってやる」と・・・

「売り言葉」には「買い言葉」で応えたのでした。

そこでヴォルデモートは「お前がそう言うのだったら」と杖を振って破れた城の窓の1つから「何か」を呼び寄せたのでした。それはだらりと垂れ下がったボロボロの「組分け帽子」でした。

ヴォルデモートはホグワーツ校に組分けは要らなくなると言ってネビルに「金縛りの呪文」をかけネビルの頭に組分け帽子を被せると杖を振って帽子に火を点けたのでした。炎上する帽子!ところが・・・

その「組分け帽子」から・・・

3-3.この場面でのダンブルドア
「それじゃ、予言で僕が『闇の帝王の知らぬ力』を持つと言っていたのは―ただ単なる愛?」

「そうじゃ―単なる愛じゃ」

昨年度の個人教授の最後の授業でダンブルドアはハリーが持つ「闇の帝王の知らぬ力」とは「単なる愛」だと断言したのでした。そうじゃよハリー。君は愛することができると・・・

今にして思えばヴォルデモートは何故ハリーの検死役をナルシッサ・マルフォイにしたのか?何故ベラトリックス・レストレンジにしなかったのか?と私は思うんですけどね。

つまりハリーが死んでいようが生きていようが最初からナルシッサの答えは決まっていたのです。ナルシッサは息子の安否を確かめるためにとご主人様の前で平気で嘘をついたのです。

それは息子ドラコを思う母の愛でした。

本日の最後に
ヴォルデモートが「組分け帽子」に点けた火がまさにホグワーツ防衛隊の反撃の狼煙(のろし)になったのでした。その瞬間!同時に幾つもの出来事が立て続けに起きたのでした。

遠い校庭の境界から雄叫びを上げて城に突進して来る音が聞こえて来ました。そこからは見えない遠くの塀を乗り越えて何百人とも思われる人々が押し寄せて来るようでした。

同時にグロウプが「ハガー!」と叫びながら城の側面からドスンドスンと現れました。その叫びに応えてヴォルデモート側の巨人たちが吠え大地を揺るがしながらグロウプに向かって雄象のように突進して行きました。

ハリーはローブから「透明マント」を取り出しパッ!と被って飛び起きました。そしてネビルも動いたのでした。ネビルは素早い滑らかな動きでヴォルデモートにかけられた「金縛りの術」を解いたのでした。

炎上していた帽子が落ちネビルはその奥から『何か銀色の物』を取り出したのでした。輝くルビーの柄のそれはそれは何と!それは「ゴドリック・グリフィンドールの剣」でした。(何でここに?)

ネビルが剣を振り下ろす様(さま)は「その場」に居合せた全ての人々の目を引き付けました。ネビルは一太刀でナギニの首を切り落としました。ヴォルデモートの最後の「分霊箱」が破壊された瞬間でした!

あとはもう雪崩れ状態でした。ケンタウルスも屋敷しもべ妖精も参戦して戦いは大広間に持ち込まれたのでした。援軍が大量に押し寄せて死喰い人たちは圧倒的な数に押されてもはや総崩れでした。

そして最後の砦のベラトリックス・レストレンジがモリー・ウィーズリーに倒されたあとは・・・

本日の記事で取り上げたのは・・・
第7巻「死の秘宝」より第36章「誤算」でした。

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