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さて!ふと振り返って気がついてみれば実は今年の元日以来という久々の「雑文シリーズ」ということになりました。本日は最近記事を書いていて松岡さんの訳語で気になる箇所が何ヵ所かあったので拾い上げて紹介することにします。(全3項目)

3-1.松岡さんの誤訳について
実は最近記事を書きながら読み返していると「あれ?こんなふうに書いてあったけ?」と実際に同じページを開いて見比べてみるとハードカバーと携帯版で記述が違っている所が何ヵ所か見つかったんですよね。

そんな時に偶然巡り会ったサイトがあったんですよね。それは松岡さんの翻訳の問題点を指摘した「ここがへんだよハリー・ポッター日本語版」というサイトでした。

このサイトの趣旨はあくまでも「松岡さんの翻訳は間違いだらけ誤訳だらけだから日本語版を読むのなんて止めて皆さん原書を読みましょう」というものではなく・・・

大多数の日本の読者は原書を読むことなんてできないのだから松岡佑子さんは間違いをちゃんと改めて改訂版を出して欲しいというものだったので私も「なるほど!」と納得することができたというわけです。

そこで今日の記事では「このサイト」が指摘している訳語や訳文で私が関心を持った箇所と以前から気になっていた幾つかの訳語について紹介してみたいと思います。

3-2.一人称の呼び名について
この「ここがへんだよ」のサイトで私が特に着目したのは登場人物の一人称の呼び方に関するものでした。納得できたものもありましたし「そうかな?」と疑問に思うものも両方ともありました。

●ヴォルデモート卿の「俺様」
これについてはかなり以前に、とあるハリポタ関連のサイトの掲示板で指摘されていたのを見て「確かにそうだな」「他の呼び名はなかったのか?」と私も常々感じていました。

松岡さんの気持ちとしては主人公ハリーの最大の宿敵なのだから他の登場人物には使っていない一人称にしたいと思ってこの「俺様」を選んだのでしょうが・・・

どうせなら「もっと凄みのある」魔法界の大多数の人たちが直接名前を呼べないほどの人物にふさわしい恐ろしげな一人称にして欲しかったと私も思いますね。

●セブルス・スネイプの「我輩」
このサイトでは今や押しも押されぬシリーズの最重要人物の1人になったセブルス・スネイプの一人称「我輩」にも噛みついていますが私は別に「これはこれでいいんじゃない?」と思いますけどね。(苦笑)

松岡さんはスネイプの一人称については場面ごとに使い分けています。立場が同等あるいは目下の人物に対しては「我輩」を使い立場や身分が上の人物に対しては「私」を使っています。

例えば死の秘宝上巻10ページでは
「ヤックスリー、我輩が君に請け合おう」

死の秘宝下巻397ページではヴォルデモートに対して
「小僧を探すようお命じください。私めがポッターを連れて参りましょう。わが君、私ならあいつを見つけられます。どうか」

あとは第33章「プリンスの物語」(434~456ページ)ではダンブルドアに対する時のスネイプの一人称は「私」になっています。

3-3.気になった箇所
ここから先は特に私の場合は第5巻「不死鳥の騎士団」の中に気になる箇所が多数見つかったので、この機会に拾い出して紹介することにします。中にはサイト「ここがへんだよ」も指摘している箇所もあります。

●上巻183ページ
ハードカバーのほうでは「君の父さんのところでキャンプした」(4行目)となっていますが、携帯版では「君の父さんのところに転がり込んだものだ」と訂正されています。

これについてはサイト「ここがへんだよ」でも指摘されています。

●下巻6ページと165ページ
第20章の冒頭2行目に「ハーマイオニーがスカーフと手袋を着け」という記述が登場していますが、直後にハーマイオニーがハリーとロンの2人に対して「だって、外は寒いわよ!」と答えていますから・・・

私はここは「スカーフ」ではなく「襟巻き又はマフラー」と訳すべきだと思いますね。さらに165ページの左から2行目にも「全員上着やスカーフで身繕いした」となっています。

クリスマス休暇明けの1月の朝の冷え込みに備えてのものなんですから冬の重装備ということなので首に巻くのは当然スカーフなんかではなく「襟巻きかマフラー」だと私は思いますね。

これについてはハードカバーも携帯版も同様の記述になっています。

●下巻101ページ
左から6行目の「マッド・アイが魔法の目を隠すのにあみだに被った山高帽を笑った」の「あみだ被り」を辞書でひくと「帽子などを後方にずらして被ること」と書いてあるんですよね。

これは「あみだ仏が光背を負っている形からできた語」なんだそうで、つまりは帽子の被り方が仏様が後光を射している形に似ていることから言われるようになったというわけです。

何が問題なのか?と云えば「この帽子の被り方」ではマッド・アイの魔法の目が丸見えになってしまうということなんですよね。これは誤訳以外の何物でもありません。弁解の余地なしって奴です。

そんなわけで携帯版のほうは「目深に被った」と訂正されています。これは私はむしろ松岡さんに対して同情を禁じ得ないですね。どうして周囲にいた他の編集者やスタッフが気づいてあげなかったのかな?と思いますね。

●下巻204ページ
ハードカバーだと右から3行目でハグリッドが「停職になった」と言っているんですけど何故か?ハグリッドは停職になった後も仕事を続けていたんですよね。ここを読むたびに私は疑問に思いました。

どうしてハグリッドは停職になったのに「魔法生物飼育学」の教師の仕事を続けているんだろう?と思いました。それが携帯版で謎が解けたのです。これも「誤訳」だったみたいです。

携帯版のほうではハグリッドは「停職候補になった」と言っているんですよね。「候補」の2文字が加わったのです。これで疑問は解決したというわけです。まだ首になっていたわけではなかったということなんですよね。(苦笑)

最後に
私はもちろん誤訳や間違いが沢山見つかったからと云って今更原書を読もうなんて全然思いません。これからも松岡さんが頼りです。どうしてそう思うのか?と云えば・・・

それは私は辞書を引き引き読むなんて「そんなのは読書じゃない!」と思うからです。それに私が「ここまで」ハリポタに詳しくなることができたのは原書になんか一切手を出さずに・・・

一心不乱に日本語版をただひたすらにひたすらに繰り返し繰り返し読み返し続けて来たからで、今の自分があるのは原書を読むことに時間とエネルギーを奪われなかったからだと思っているからです。

でも松岡さんも「ちゃんとした批判」には耳を傾けて直すべき所は直して欲しいですね。
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