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最近私は原書派の皆さんが「松岡さんのあまりにもひどい翻訳のせいで原作の面白さが伝わっていない」とか「今までこれほどまでに翻訳でガッカリさせられたことはない」などと言っている意見を改めて読む機会があったのですが、そんな原書派の人たちでさえ認めなくてはならない松岡さんの功績とは?(全3項目)

3-1.改めてハリーポッター・シリーズの魅力について
「どうして人々はこれほどまでにハリーポッター・シリーズに惹かれ魅了されているのか?」

そういえばサイトを開設してもう早や5年にもなるのに「このこと」について取り上げていなかったような気がするので、この機会に私が思う「何故これほどまで皆ハリポタに惹かれるのか?」について述べたいと思います。

私が思う所のハリポタの最大の魅力と云えば、やはり何と言っても「全ての登場人物の履歴が完璧かつ詳細に出来上がっている」ということでしょうね。これがまた当サイトを支えている源流でもあるんですよね。

例えば謎のプリンス上巻123ページではウィーズリーおばさんがトンクスに週末の夕食に来ないか?と言っていますね。結局トンクスはおばさんに「来れない」と断っているのですが私の感じたところでは・・・

どうやらウィーズリー夫妻は週末の土曜日には必ずといっていいほど少なくとも「2人以上」の人を招待して一緒に夕食を取っているようなんですよね。私が思うにはおそらくローリングさんは・・・

ウィーズリー夫妻は「どの週末には誰と?夕食を共にしていたのか?」を完璧に設定していたと思いますね。何月の第何週には誰と一緒だったのか?そこで何を話し合ったのか?どんな話が出たのか?まで・・・

不死鳥の騎士団下巻19ページではハグリッドが巨人の頭(トップ)に「グブレイシアンの火の枝」を贈ったと言った時にハーマイオニーは「うわーっ!」と感嘆の声を漏らしていたのに対してハリーとロンはと云えば・・・

ハリーとロンの2人は「何のことやら?」とちんぷんかんぷんでハーマイオニーが「何に感動しているのか?」が全く分らなかったのでした。ハーマイオニーが「永遠の火よ」と言った後に補足説明をしたのですが・・・

何でもフリットウィック先生が授業中に少なくとも「2回」は言ったそうです。しかし例によって例のこどくハリーとロンは聞き逃していたのでハーマイオニーに説明してもらわなければならなかったのでした。

私が思うにはローリングさんは「各科目の先生方はいつの授業で何をハリーたちに教えたのか?」も詳細かつ完璧に設定していると思いますね。他の生徒たちについても同様です。全ての授業風景を盛り込んでいたら・・・

1巻1巻がとてつもないページ数につまり当然1冊や2冊では収まらなくなってしまうので省略してあるだけなんです。この想像を絶する詳細で完璧な人物や物語の設定がハリポタの魅力を底辺で支えているのです。

3-2.改めて松岡祐子さんの翻訳と改訂版について
実は先日ふとしたはずみにアマゾンで第7巻「死の秘宝」のカスタマ・レビューを読んだら例によって例のごとく松岡祐子さんを酷評する意見が多数列挙されていました。もうそれはそれは凄まじいばかりで・・・

せっかくの原作の面白さを松岡さんが台無しにしているとか大変だろうが皆さんも原書を読んで欲しい。そうすれば多くの登場人物のイメージが変わるだろうとか、さらにはそれに加えて・・・

松岡祐子さん以外の翻訳者による改訂版「ハリーポッター・シリーズ」を出して欲しいという意見も載っていました。松岡さんがハリポタを日本でベストセラーにした功績を否定するわけではないからと言うのです。

松岡さんがハリーポッター・シリーズをベストセラーにしたのは「いかにして凄いことなのか?」の話は後段に譲るとして、私がそこで関心を持ったのは「改訂版ハリー・ポッター」を出して欲しいという意見でした。

やはりそこで原書派の皆さんが言うのには「松岡さんのあまりにもひどい翻訳のせいで原作の面白さが伝わっていない」とか「今までこれほどまでに翻訳でガッカリさせられたことはない」というものでした。

だからこそ松岡祐子さん以外の翻訳者による改訂版を出して欲しいと言っているんですけど、実は私も正直言って「松岡さん以外が翻訳したハリーポッター・シリーズを読んでみたい」と思ったのも事実なんですよね。

というのもまず第1には松岡さんがハリーポッター・シリーズのために作ったいわゆる「造語」というものを新しい翻訳者は「どういう日本語に置き換えるのか?」というのを見てみたいと思うからです。例えば・・・

「死喰い人」とか「吸魂鬼」とか「分霊箱」など・・・

第2には一部の人たちに評判が悪いセブルス・スネイプの「我輩」や私自身も思っていたヴォルデモート卿の「俺様」などの登場人物の一人称を新しい翻訳者は「どう訳すのか?」やさらには・・・

これも一部の読者に評判の悪いルーナ・ラブグッドの言葉の語尾に小さい「ン」をつけるしゃべり口調や、私は個人的にはハグリッドの東北訛りの口調をやはり新しい翻訳者は「どう訳すのか?」を見てみたいと・・・

つまりは「新しい翻訳者のお手並みを拝見してみたい」というわけなんですよね。まあ私は松岡祐子さんが「そんなことを許す」とは到底考えられませんが出来得るものなら実現して欲しいと思いますね。

3-3.改めて松岡祐子さんが果たした功績について
そんなわけで前述のように松岡さんの翻訳を酷評する原書派の人たちでさえ認めざる負えない松岡祐子さんが日本で成し遂げた大きな大きな功績があるんですよね。それはハリーポッター・シリーズを日本で・・・

ベストセラーにしたこと。

そもそも日本には魔法使いの少年を主人公にしたいわゆる「ファンタジー小説」などというものは売れる土壌が全くないというのが現実だったんですよね。それはどういう状況だったのか?と云えば・・・

ファンタジー小説などというものは子供には難し過ぎて内容が理解できない。それなら大人が読むのか?と云えば大人の皆さんは「そんなものは子供の読むものじゃないか?」と言って見向きもされない。

それじゃあ「子供も読まないし大人も読まないって誰が読むんだ?」と云えば日本にいる極々一部の極々少数の熱心なファンタジー小説ファンというのがいて、その人たちが読んでいるというわけなんですよね。

そのためローリングさんの先輩格にあたるイギリスのファンタジー小説家ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの著作は日本ではほとんどと云っていいほど売れませんでした。それはそれは惨憺たるものでした。

ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの本は日本では全く売れず中には印刷所に発注するためには必要最低限の最小発行部数の「五千部」を売り切ることができず絶版になってしまうものまであったのです。

それほど悲惨な状態だったのです。

しかし松岡祐子さんには何がなんでも第1巻「賢者の石」を売らなければならないという事情があったのです。それは第1巻を売らなければ第2巻「秘密の部屋」を出版する資金がなかったんだそうです。

前述のように日本におけるファンタジー小説の厳しい状況を考えれば第1巻「賢者の石」の初版3万部というのは今にして思えば無謀な発行部数でした。しかし初版はあっという間に売り切れハリーポッターは・・・

やがてベストセラーのリストに載るまでになったのです。おそらくほとんど全てのハリポタの読者は魔法使いの少年が主人公の本を読むのは初めてだったと思いますが今までのファンタジー小説を取り巻く状況を考えれば・・・

それは当然のことでしょうね。そもそも「こんな本」は日本では売れないのが当たり前だったのですから。

最後に
こういったわけで日本では決して売れなかった分野の本を松岡祐子さんは初めてベストセラーにしたということで原書派の人たちもこのことに関しては松岡さんの功績を認めざる負えなかったというわけなんですよね。

それにしてもハリポタを読んでいる人たちの中には母娘でハマって母親用と娘用に一家で2セット購入しているとか、子供に読み聞かせていた母親がハマって夢中で読んでいるとか・・・

一家4人がハリポタにハマっていて家族全員が読み終わるまで新刊の話を口にするのを禁止しているとかといった話を沢山聞くのですが原書派の皆さんが言う所の「ちゃんとした人」が翻訳したらどうなるんでしょうね?

出来得ることなら「改訂版ハリー・ポッター」を読んでみたいものです。
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